キャッシュフロー計算書(C/F)とは
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運転資本(WC)とキャッシュフロー計算書(CFS)でキャッシュの動きを感じる
1 日々の資金繰りは運転資本(Working Capital、WC)で確認
2 キャッシュの動きを把握するために必要なこと
このことからも、 キャッシュフロー計算書(C/F)とは 損益計算書の利益が、そのまま手元キャッシュの増減を示すのではない ことがご理解いただけたかと思います。
3 運転資本の基本的な考え方
日々ビジネスを回すためには、「売上債権+棚卸資産―仕入債務」の資金が必要となるということがお分かりいただけたと思います。この 「売上債権+棚卸資産―仕入債務」を運転資本 と呼び、この部分が日々ビジネスを回していくために必要な資金です。
4 日々の資金繰りを把握できたらキャッシュフロー計算書で年間の資金の流れをつかむ
営業キャッシュフロー
当期純利益
±本業に無関係な損益(例:有価証券の売却益、設備の処分損)
+減価償却費
±運転資本の増減(運転資本の増加で-、減少で+)
投資キャッシュフロー
±本業に無関係な損益(例:有価証券の売却益、設備の処分損)。営業キャッシュフローと符号が逆
±固定資産の増減(固定資産の増加で-、減少で+)
財務キャッシュフロー
+資本金の増加
±借入金の増減(借入金の増加で+、減少で-)
-配当金の支払い
5 運転資本のメカニズムを理解しよう
運転資本は、資金の支払いと回収の時間差が生み出す資金ニーズのことでした。では、「販売代金を回収すれば、生み出された利益分だけ手元に残り徐々に運転資本は減少するのでは?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。その通りです。ところが、 薄利多売のビジネスでは、利益回収が小さいのに対して、ビジネス拡大で必要な仕入れや在庫が増大し、ビジネスが伸びれば伸びるほど資金が足りなくなりがち です。売上が伸びて利益も増えているのに、資金不足が深刻になるということが起こり得るのです。
執筆:グロービス経営大学院教授 松本泰幸(まつもとひろゆき)
九州大学法学部卒業。東京証券取引所一部上場の事業会社2社で財務部長、関連事業部長、外資系コンサルティングファームで金融サービスコンサルタントとして活動し、投資顧問会社・コンサルティング会社を傘下に持つHCAグループの設立に参画。現在は、農業経営コンサルティング業の株式会社日本アグリマネジメント代表取締役社長。他に経営コンサルティングを行う株式会社LonePine代表取締役社長。株式会社丸八ホールディングス非常勤取締役。石本酒造株式会社顧問、グロービス経営大学院教授(アカウンティング、ファイナンスなど)。
愛知県名古屋市金山の公認会計士・税理士なら山田会計事務所愛知県名古屋市金山の公認会計士・税理士なら山田会計事務所の「キャッシュフロー計算書の作り方」のページです。
キャッシュフロー計算書とは、会社の一定期間における資金の動きを表示した財務書類です。
会社の最も重要な資産であるキャッシュの流れを明らかにする書類として重要視されています。
そこで、本コラムでは簡単にキャッシュフロー計算書の作成できる方法について述べてみたいと思います。
なお、キャッシュフロー計算書の作成方法として直接法と間接法がありますが、ここではより簡単な作成方法である間接法での作り方について述べていきます。
資金とは細かく見れば何が資金なのかという話になりますが、ここでは細かいことを気にせずにとりあえず現預金と考えます。
ある会計年度のスタートの現預金が200万円あったとして、1年間の活動の結果、
現預金が500万円になったとしたら、
期首の資金が200万円、期末の資金が500万円、一年間の資金の増加額が300万円となります。
これを表にすると以下の様になります。
現預金の増加額 300万円
現預金の期首残高 200万円
現預金の期末残高 500万円
さらに、キャッシュフロー計算書では、当期の増減額(ここでは300万円の増加)を営業活動、投資活動、財務活動の区分に分けて表示します。
ここでは仮に営業活動による増加額、投資活動による増加額、財務活動による増加額をそれぞれ100万円としますと以下の様になります。
Ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー 100万円
Ⅱ 投資活動によるキャッシュ・フロー 100万円
Ⅲ 財務活動によるキャッシュ・フロー 100万円
Ⅳ 現預金の増加額 300万円
Ⅴ 現預金の期首残高 200万円
Ⅵ 現預金の期末残高 500万円
営業活動によるキャッシュ・フローは通常の営業活動によって生じた資金の増減について表示します。
投資活動によるキャッシュ・フローは将来の利益獲得や運用のための資金の増減について表示します。
財務活動によるキャッシュ・フローは営業活動および投資活動を支えるための資金調達に伴う資金の増減について表示します。
間接法では期首と期末の貸借対照表の増減差額をもとに作成することを理解する
さて、今までのところでは期首と期末の資金の増減について、各区分別に表示していくことはわかりました。
それでは、どのようにして、このようなキャッシュ・フロー計算書を形にしていくのかといいますと、
期首と期末の貸借対照表の各勘定科目別の増減差額をもとにして行っていきます。
各勘定科目別にみていく前に大枠で理解していただくために、まず以下の様な貸借対照表で考えます。
期首200の現預金が期末500の現預金となっています。
このことを他の資産と負債・資本の立場から考えてみますと、
期首の現預金200は負債(B)+ 資本(C)とその他の資産(A)の差額、
期末の現預金500は負債(E)+ 資本(F)とその他の資産(D)の差額となります。
つまり期首の現預金200と期末の現預金500を違った観点で表現してみると以下の様になります。
期末の現預金500-期首の現預金200=現預金の増加額
↓ これを負債、資本、その他の資産という観点でみると
負債(E)+資本(F)-その他の資産(D)-(負債(B)+資本(C)-その他の資産(A))=現預金の増加額
↓ これをさらに並べ替えると
-(その他の資産(D)-その他の資産(A))+(負債(E)-負債(B))+(資本(F)-資本(C)))=現預金の増加額
↓
-その他の資産の増減額(D-A)+負債の増減額(E-B)+資本の増減額(F-C)=現預金の増加額
-その他の資産の増減額 -(D-A)
+負債の増減額 +(E-B)
+資本の増減額 +(F-C)
現預金の増加額 300
現預金の期首残高 200
現預金の期末残高 500
このようにみてみるとキャッシュフロー計算書を貸借対照表の増減差額をもとにして作成するという意味が理解できたと思います。
今までは、貸借対照表を現預金、その他の資産、負債、資本という大きな単位でとらえていましたが、実際はもっと細かい勘定科目から成っていますので、各勘定科目の性格に
絞ってその増減差額を営業活動に関係するもの、投資活動に関係するもの、財務活動に関係するものに分類表示し、より精度の高いキャッシュフロー計算書を作成していくことになるのです。
キャッシュフロー計算書(C/F)とは
キャッシュフロー計算書は、英語でCash flow Statment(略:C/SまたはC/F)と呼ばれ、現金の増減とその理由を示す役割があります。
また、決算の期首にいくらの現金があって、期末にいくら残っているかという現金の流れや現時点で手元にある現金の額を把握することができます。
○キャッシュフロー計算書の構造
営業活動によるキャッシュフローとは、その企業の中心的な事業が、いくら資金を生み出しているのかを示しています。この項目がプラスなら事業が資金を生み出しており、マイナスなら事業によって資金を食いつぶしていると判断できます。マイナスの場合は、在庫圧縮や売掛金回収サイト短縮、買掛金支払延期などを検討しなくてはなりません。
投資活動によるキャッシュフローとは、設備投資や、事業への投資といった投資活動による現金の流れを示しています。 マイナスになっているということは固定資産などを購入しているということであり、プラスになっているということは保有する固定資産などを売却して資金を得ているということです。
財務活動によるキャッシュフローとは、会社が資金不足に陥ったときの資金調達方法と、借りたお金の返済方法を示しています。銀行からの借入れや返済、株式の発行などがここに含まれます。営業キャッシュフローがプラスで、きちんと借入金を返済していれば、財務キャッシュフローはマイナスになります。プラスの場合は融資や出資を受けていることを示します。
○フリーキャッシュフローとは
本Chapterでは、企業会計の基礎から始まり、様々な財務諸表のうち、主要な3表である財務三表を取り扱いました。
キャッシュフロー計算書(C/F)とは
「決算書」とは、どのような仕組みなのか?
- 経営自身が自分の会社の分析に使ったり
- ビジネスマンが他社の分析に使ったり キャッシュフロー計算書(C/F)とは
- 投資家が投資判断に使ったり
- 銀行が融資に使ったり
- 国や地方自治体が補助金の採択の可否に使ったり
そもそも決算書とはどのようなものなのか?
- 「貸借対照表」
- 「損益計算書」
- 「株主資本等変動計算書」
- 「キャッシュフロー計算書」
- 「附属明細表」
- 「貸借対照表」
- 「損益計算書」
- 「キャッシュフロー計算書」
- 「貸借対照表」は「決算日時点の財務状況」
- 「損益計算書」は「1年間(決算期間)の経営成績」
- 「キャッシュフロー計算書」は「1年間(決算期間)のキャッシュの動き」
貸借対照表(BS)とは?
- 資産とはプラスの財産で、貸借対照表では左側の欄に記入される
- 負債とはマイナスの財産(借入金など)で貸借対照表では右側の欄に記入される
損益計算書(PL)とは?
キャッシュフロー計算書(CF)とは?
決算書の簡単な見方(分析) 貸借対照表(BS)編
絶対的な分析と相対的な分析
貸借対照表(BS)の見方の基本
「正常営業循環基準」とは
「1年基準」(ワンイヤールール)とは
貸借対照表(BS)の資産の部
貸借対照表(BS)の負債の部
貸借対照表(BS)の純資産の部
貸借対照表(BS)の分析手法
計算式は、 「自己資本比率=自己資本÷総資産」 キャッシュフロー計算書(C/F)とは です。
- 10%以下……倒産の危険が非常に高い
- 10〜20%……倒産の危険あり
- 20〜40%……一般的な水準
- 40%以上……安定している
「流動比率 = 流動資産÷流動負債」 で計算でき、流動比率が高いほど資金繰りが楽であり、流動比率が低いと資金繰りが厳しいと判断できます。
- 「資産はなるべく固定化せず、流動化した方が」
- 「負債はなるべく流動化せず、固定化(長期化)した方が」
逆に長期的な資金調達と運用状況の安全性をみる指標として キャッシュフロー計算書(C/F)とは 「固定比率=固定資産÷自己資本」 があります。
決算書の簡単な見方(分析)PL編
損益計算書の見方の基本
「売上がどのくらい上がり、それに対する原価や費用はどれくらいかかり、その差額の利益(または赤字幅)はどのくらいか」
損益計算書(PL)の見方 「売上~粗利益」
それは、 売上高から原価を引いたものが粗利益 だからです。
売上高から原価を引くことで、粗利益は計算できます。計算式 「粗利益(売上総利益)=売上高-原価」 。
損益計算書(PL)の見方 「営業利益」
計算式としては、 「営業利益=粗利益(売上総利益)-販売費および一般管理費」 。
- 売上高を伸ばすか原価を低減して粗利益を増やす方法
- 販売費および一般管理費を削る方法
損益計算書(PL)の見方 「経常利益」
計算式でいうと 「経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用」 です。
損益計算書(PL)の見方 「当期純利益」
税引き前当期純利益とは
計算式では 「税引き前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失」 です。
特別利益とは
特別損失とは
計算式としては、 「当期純利益=税引き前当期純利益-法人税等」 です。
損益計算書(PL)の見方・分析手法
計算方法は、 「従業員一人当たりの粗利益額=粗利益額÷従業員数」 となります。
計算式としては、 「粗利益率=粗利益額÷売上高」(売上総利益率=売上総利益額÷売上高) となります。
- 売上高に対する営業利益の割合を営業利益率といい、「営業利益率=営業利益÷売上高」 キャッシュフロー計算書(C/F)とは
- 売上高に対する経常利益の割合を経常利益率といい、「経常利益率=経常利益÷売上高」
「総資本経常利益率=経常利益÷総資本」 で計算され、投下した資本でどのくらい利益を生み出しているかを判断する指標です。
決算書の基本的な見方(分析) キャッシュフロー計算書編
キャッシュフロー計算書(CF)の見方の基本
- 「営業キャッシュフロー」
- 「投資キャッシュフロー」
- 「財務キャッシュフロー」
営業キャッシュフローの見方
投資キャッシュフローの見方
財務キャッシュフローの見方
- 「プラスだから良い」
- 「マイナスだから悪い」
キャッシュフロー計算書の見方
- 営業キャッシュフロー
- 投資キャッシュフロー
- 財務キャッシュフロー
- 営業キャッシュフローがマイナス
- 投資キャッシュフローがプラス
- 財務キャッシュフローがプラス
決算書の見方・分析の注意点
粉飾決算とは?
- 「投資家によく見せたい」 キャッシュフロー計算書(C/F)とは
- 「銀行借入のために利益が出ているように見せたい」
- 「取引先に良い会社だと思われたい」
- 「税金の計算のため」
- 「自分の会社の状態を知るため」
- 「融資や投資を受けるため」など
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- 自身の事業を立ち上げ初回のセミナーでバックエンドを15名に販売することに成功
- 自分の会社をより高いステージから俯瞰してみられることに成功。
執筆者情報
鈴木しゅん
ビジネスプロデューサー。 マーケティングエッジ株式会社代表取締役。 1974年3月12日生まれ。AB型。 ドバイバージ・カリファ98階在住。 ドバイと日本を行き来する経営コンサルタント。 会計事務所、Web制作会社、建設業、飲食業など各分野で勤務する経験を持ち、その幅広い経験を元にリアルビジネスのコンサルティング業務を営む。 現在20年以上黒字無借金経営を継続中。
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