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リスク管理の取組み

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アップデート!非財務情報開示の今 第8回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2022年1月~3月の動向)

「週刊経営財務」(税務研究会発行)3552号(2022年4月18日)に「アップデート!非財務情報開示の今 第8回 非財務情報の開示を巡る.

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  • アップデート!非財務情報開示の今 第8回 リスク管理の取組み 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2022年1月~3月の動向)

ハイライト

※WEB上の機能制限により レイアウトや箇条書きの表示など 原稿とは異なる場合があります。ご了承ください。

I.はじめに

  • 金融審議会/Disclosure Working Group(以下「DWG」という。)における審議
  • 経済産業省/非財務情報の開示指針研究会における討議
  • 欧州財務報告諮問グループ(以下「EFRAG」という。)によるサステナビリティ報告基準の作業文書の公表
  • 自然関連財務情報開示タスクフォース(以下「TNFD」という。)によるフレームワークベータ版(v0.1)の公表
  • リスク管理の取組み
  • 米国証券取引委員会(以下「SEC」という。)による気候変動情報開示規則案の公表
  • 国際サステナビリティ基準審議会(以下「ISSB審議会」という。)によるIFRS®サステナビリティ開示基準の公開草案の公表

II.金融審議会/DWGにおける審議

  • 「サステナビリティ情報」について、以下の取組みを並行して進めていくことについてどう考えるか
    • 有価証券報告書にサステナビリティ項目に関する「記載欄」を設け、当初の開示項目として、「ガバナンス」と「リスク管理」は全ての企業が開示し、「戦略」と「指標と目標」は各企業が重要性を判断して開示する。
    • 任意開示等において、気候変動関連の開示の質と量の充実を促す。
    • サステナビリティ基準委員会(以下「SSBJ」という。)において、ISSB審議会等への意見発信を進めつつ、日本における実務面も踏まえた検討を進める。
    • SSBJの検討結果を踏まえ、DWGで改めてサステナビリティ開示の個別項目の取り扱いを議論するとともに、SSBJの役割の明確化に向けた検討を進める。
    • 中長期的な課題として、サステナビリティ開示における保証の在り方に関する検討を進める。
    • 中長期的な企業価値向上における人材戦略の重要性を踏まえた「人材育成方針」(多様性の確保を含む。)や「社内環境整備方針」の開示を求める。
    • 上記の「方針」と整合的で測定可能な指標の設定、その目標及び進捗状況の開示を求める。
    • 企業の多様性確保に係る指標として、中長期的な企業価値判断に必要な項目の開示を求めるとしたうえで、企業負担等の観点から、他の法律の定義・枠組みに従って開示する。

    III.経済産業省/非財務情報の開示指針研究会における討議

    2021年6月から、経済産業省に設置された非財務情報の開示指針研究会(以下「非財務研究会」という。)で、非財務情報の開示指針の方向性について認識の共有を行いつつ、非財務情報の利用者との質の高い対話につながる開示、及び開示媒体の在り方について検討がされている。2022年2、3月はISSB審議会のTechnical Readiness Working Group(以下「TRWG」という。)が公表したサステナビリティ関連財務情報開示の全般的な要求事項のプロトタイプ、及び気候関連開示プロトタイプに関する議論が行われた。

    IV.EFRAGによるサステナビリティ報告基準の作業文書の公表

    EUでは、2023年または2024年度からサステナビリティ情報の開示要求を大幅に拡充する方向で、指令の策定(Corporate Sustainability Reporting Directive:CSRD)に向けた検討が進められている。CSRD案では、新たに策定されるサステナビリティに係る報告基準に準拠して情報を作成することとされているが、この報告基準に係る作業文書が、EFRAGから2022年1月より続々と公表されている。

    図表1:欧州サステナビリティ報告基準の一覧(2022年1月時点)

      リスク管理の取組み
    1. 一般的な要求事項
    2. 戦略及びビジネスモデル
    3. サステナビリティに関するガバナンスと組織
    4. サステナビリティに関する重要なインパクト、リスクと機会
    5. 方針、目標、行動計画及びリソースに関する定義
    1. 自社の従業員
    2. 自社の労働環境
    3. 自社の機会の平等
    4. 自社の労働関連の権利
    5. バリューチェーン上の従業員
    6. 影響を受けるコミュニティ
    7. 消費者、最終利用者
    1. ガバナンス、リスク管理、内部統制
    2. 製品・サービス、取引先との関係の管理・質
    3. 責任ある事業慣行
    1. セクター分類
      ※開示すべきセクター別情報は、ESRS SEC2からESRS SEC41において決定される(ESRS SEC1 1項より)。

    (出所:PTF-ESRS Batch 1 working papers-Cover note and next stepsより筆者作成)

    V.TNFDによるフレームワークベータ版(v0.1)の公表

    1.TNFDとは

    まず、本ガイダンスの公表主体である自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:TNFD)について説明する。TNFDは、世界の金融の流れを自然にとってマイナスの結果からプラスの結果へとシフトさせるようサポートすることを究極の目的として、自然資本及び生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価し、開示するための枠組みを提供することを目標とした国際的な組織である。TCFDに続く枠組みとして、2019年に世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で着想され、2021年に立ち上げられている。日本では、環境省がTNFDの議論をサポートするステークホルダーの集合体であるTNFDフォーラムに参加している。

    2.TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク

    (3)自然関連リスクと機会を評価するためのLEAP(Locate、 Evaluate、 Assess、 Prepare:発見、診断、評価、準備)プロセス

    (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P4より抜粋、一部追記)

    (1)自然を理解するための基本(となる知識)
    ここでは、自然、依存関係と影響、及び自然関連リスクと機会に関するTNFDの定義を示している。TNFDでは、自然を4つの領域(陸、海、淡水、大気)で構成されると定義し、環境資産(森林、湿地、サンゴ礁、農地など)を地球に自然に存在する生物と非生物の構成要素と定義している。また組織がビジネスプロセスを機能させるうえで依存している生態系サービス(清潔で定期的な水の供給など)を依存関係と定義している。組織は、環境資産や生態系サービスに対してプラスにもマイナスにもなる影響を与えるが、これにより将来の自然関連リスクと機会を生み出す可能性があるとしている。

    (2)TNFDによる情報開示の提言(草稿版)
    情報開示に関するTNFDの提言は、TCFDが既に提案した内容に基づいている。すなわち、図表2のように、情報開示に関するTCFDの4つの柱であるガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標に沿ったものとなっている。なお、指標と目標の温室効果ガスの開示については現在検討中であり、次版以降のベータ版に含められることが予定されている。

    図表2:情報開示に関するTNFDの提言(草稿版)

    (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・豊穣開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P6より抜粋)

    (3)自然関連リスクと機会を評価するためのLEAPプロセス
    TNFDの提言には、LEAP(Locate、 Evaluate、 Assess、 Prepare:発見、診断、評価、準備)と呼ばれる自然関連リスクと機会に関する統合評価プロセスが含まれている。LEAPアプローチは、次の4つの中核的な分析アクティビティのフェーズから構成されている。

    (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P7より抜粋)

    VI.SECによる気候変動情報開示規則案の公表

    一部の大企業 [2] には、Scope1、2の温室効果ガス排出量について、当初、限定的保証業務を受けるほか、数年経過後に合理的保証業務を受けることが提案されている。現行の温室効果ガス排出量に対する保証業務は限定的保証業務がほとんどであるため、本規則案がそのまま最終化された場合には、開示を行う企業及び保証業務を提供する監査事務所等の双方への影響が大きいものと考えられる。

    VII.ISSB審議会によるIFRSサステナビリティ開示基準の公開草案の公表

    ISSB審議会は、3月31日に、公開草案「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的な要求事項(IFRS S1)」及び「気候関連開示(IFRS S2)」を公表した(以下「全般的な開示基準」及び「気候関連開示基準」という。)。本公開草案は、本稿3.でも触れた、TRWGによって作成されたサステナビリティ関連財務情報開示の全般的な要求事項のプロトタイプ及び気候関連開示プロトタイプをベースに、全般的な開示基準では定義の明確化、気候関連開示基準では移行計画及びカーボンオフセットに関する情報開示、シナリオ分析の要求事項などが追加されている [3] 。

    VIII.リスク管理の取組み リスク管理の取組み おわりに

    有限責任 あずさ監査法人
    アシスタントマネジャー 公認会計士
    渡部 瑞穂(わたなべ みずほ)

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    • アップデート!非財務情報開示の今 第1回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年6月までの動向)
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    • アップデート!非財務情報開示の今 第3回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年8月までの動向)
    • アップデート!非財務情報開示の今 第4回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年9月までの動向)
    • アップデート!非財務情報開示の今 第5回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年10月までの動向)
    • アップデート!非財務情報開示の今 第6回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年11月までの動向)
    • アップデート!非財務情報開示の今 第7回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年12月までの動向)
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    I.はじめに

    • 金融審議会/Disclosure Working Group(以下「DWG」という。)における審議
    • 経済産業省/非財務情報の開示指針研究会における討議
    • 欧州財務報告諮問グループ(以下「EFRAG」という。)によるサステナビリティ報告基準の作業文書の公表
    • 自然関連財務情報開示タスクフォース(以下「TNFD」という。)によるフレームワークベータ版(v0.1)の公表
    • 米国証券取引委員会(以下「SEC」という。)による気候変動情報開示規則案の公表
    • 国際サステナビリティ基準審議会(以下「ISSB審議会」という。)によるIFRS®サステナビリティ開示基準の公開草案の公表

    II.金融審議会/DWGにおける審議

    • 「サステナビリティ情報」について、以下の取組みを並行して進めていくことについてどう考えるか
      • 有価証券報告書にサステナビリティ項目に関する「記載欄」を設け、当初の開示項目として、「ガバナンス」と「リスク管理」は全ての企業が開示し、「戦略」と「指標と目標」は各企業が重要性を判断して開示する。
      • 任意開示等において、気候変動関連の開示の質と量の充実を促す。
      • サステナビリティ基準委員会(以下「SSBJ」という。)において、ISSB審議会等への意見発信を進めつつ、日本における実務面も踏まえた検討を進める。
      • SSBJの検討結果を踏まえ、DWGで改めてサステナビリティ開示の個別項目の取り扱いを議論するとともに、SSBJの役割の明確化に向けた検討を進める。
      • 中長期的な課題として、サステナビリティ開示における保証の在り方に関する検討を進める。
      • 中長期的な企業価値向上における人材戦略の重要性を踏まえた「人材育成方針」(多様性の確保を含む。)や「社内環境整備方針」の開示を求める。
      • 上記の「方針」と整合的で測定可能な指標の設定、その目標及び進捗状況の開示を求める。
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      • 企業の多様性確保に係る指標として、中長期的な企業価値判断に必要な項目の開示を求めるとしたうえで、企業負担等の観点から、他の法律の定義・枠組みに従って開示する。

      III.経済産業省/非財務情報の開示指針研究会における討議

      2021年6月から、経済産業省に設置された非財務情報の開示指針研究会(以下「非財務研究会」という。)で、非財務情報の開示指針の方向性について認識の共有を行いつつ、非財務情報の利用者との質の高い対話につながる開示、及び開示媒体の在り方について検討がされている。2022年2、3月はISSB審議会のTechnical Readiness Working Group(以下「TRWG」という。)が公表したサステナビリティ関連財務情報開示の全般的な要求事項のプロトタイプ、及び気候関連開示プロトタイプに関する議論が行われた。

      IV.EFRAGによるサステナビリティ報告基準の作業文書の公表

      EUでは、2023年または2024年度からサステナビリティ情報の開示要求を大幅に拡充する方向で、指令の策定(Corporate Sustainability Reporting Directive:CSRD)に向けた検討が進められている。CSRD案では、新たに策定されるサステナビリティに係る報告基準に準拠して情報を作成することとされているが、この報告基準に係る作業文書が、EFRAGから2022年1月より続々と公表されている。

      図表1:欧州サステナビリティ報告基準の一覧(2022年1月時点)

      1. 一般的な要求事項
      2. 戦略及びビジネスモデル
      3. サステナビリティに関するガバナンスと組織
      4. サステナビリティに関する重要なインパクト、リスクと機会
      5. 方針、目標、行動計画及びリソースに関する定義
      1. 自社の従業員
      2. 自社の労働環境
      3. 自社の機会の平等
      4. 自社の労働関連の権利
      5. バリューチェーン上の従業員
      6. 影響を受けるコミュニティ
      7. 消費者、最終利用者
      1. ガバナンス、リスク管理、内部統制
      2. 製品・サービス、取引先との関係の管理・質
      3. 責任ある事業慣行
      1. セクター分類
        ※開示すべきセクター別情報は、ESRS SEC2からESRS SEC41において決定される(ESRS SEC1 1項より)。

      (出所:PTF-ESRS Batch 1 リスク管理の取組み working papers-Cover note and next stepsより筆者作成)

      V.TNFDによるフレームワークベータ版(v0.1)の公表

      1.TNFDとは

      まず、本ガイダンスの公表主体である自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:TNFD)について説明する。TNFDは、世界の金融の流れを自然にとってマイナスの結果からプラスの結果へとシフトさせるようサポートすることを究極の目的として、自然資本及び生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価し、開示するための枠組みを提供することを目標とした国際的な組織である。TCFDに続く枠組みとして、2019年に世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で着想され、2021年に立ち上げられている。日本では、環境省がTNFDの議論をサポートするステークホルダーの集合体であるTNFDフォーラムに参加している。

      2.TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク

      (3)自然関連リスクと機会を評価するためのLEAP(Locate、 Evaluate、 Assess、 Prepare:発見、診断、評価、準備)プロセス

      (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P4より抜粋、一部追記)

      (1)自然を理解するための基本(となる知識) リスク管理の取組み
      ここでは、自然、依存関係と影響、及び自然関連リスクと機会に関するTNFDの定義を示している。TNFDでは、自然を4つの領域(陸、海、淡水、大気)で構成されると定義し、環境資産(森林、湿地、サンゴ礁、農地など)を地球に自然に存在する生物と非生物の構成要素と定義している。また組織がビジネスプロセスを機能させるうえで依存している生態系サービス(清潔で定期的な水の供給など)を依存関係と定義している。組織は、環境資産や生態系サービスに対してプラスにもマイナスにもなる影響を与えるが、これにより将来の自然関連リスクと機会を生み出す可能性があるとしている。

      (2)TNFDによる情報開示の提言(草稿版)
      情報開示に関するTNFDの提言は、TCFDが既に提案した内容に基づいている。すなわち、図表2のように、情報開示に関するTCFDの4つの柱であるガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標に沿ったものとなっている。なお、指標と目標の温室効果ガスの開示については現在検討中であり、次版以降のベータ版に含められることが予定されている。

      図表2:情報開示に関するTNFDの提言(草稿版)

      (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・豊穣開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P6より抜粋)

      (3)自然関連リスクと機会を評価するためのLEAPプロセス
      TNFDの提言には、LEAP(Locate、 Evaluate、 Assess、 Prepare:発見、診断、評価、準備)と呼ばれる自然関連リスクと機会に関する統合評価プロセスが含まれている。LEAPアプローチは、次の4つの中核的な分析アクティビティのフェーズから構成されている。

      (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P7より抜粋)

      VI.SECによる気候変動情報開示規則案の公表

      一部の大企業 [2] には、Scope1、2の温室効果ガス排出量について、当初、限定的保証業務を受けるほか、数年経過後に合理的保証業務を受けることが提案されている。現行の温室効果ガス排出量に対する保証業務は限定的保証業務がほとんどであるため、本規則案がそのまま最終化された場合には、開示を行う企業及び保証業務を提供する監査事務所等の双方への影響が大きいものと考えられる。

      VII.ISSB審議会によるIFRSサステナビリティ開示基準の公開草案の公表

      ISSB審議会は、3月31日に、公開草案「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的な要求事項(IFRS S1)」及び「気候関連開示(IFRS S2)」を公表した(以下「全般的な開示基準」及び「気候関連開示基準」という。)。本公開草案は、本稿3.でも触れた、TRWGによって作成されたサステナビリティ関連財務情報開示の全般的な要求事項のプロトタイプ及び気候関連開示プロトタイプをベースに、全般的な開示基準では定義の明確化、気候関連開示基準では移行計画及びカーボンオフセットに関する情報開示、シナリオ分析の要求事項などが追加されている [3] 。

      VIII.おわりに

      有限責任 あずさ監査法人 リスク管理の取組み リスク管理の取組み リスク管理の取組み リスク管理の取組み
      アシスタントマネジャー 公認会計士
      渡部 瑞穂(わたなべ みずほ)

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      イベント・セミナー 食の安全・安心のためのリスク管理促進の取組み リスク管理の取組み 消費者の安心・信頼の確保

      開催日時 2013年12月4日(水) 13:30~15:40 (受付 13:00~) 会場 株式会社富士通マーケティング 2階 プロポーズルームE/F
      〒112-8572 東京都文京区後楽1-7-27 リスク管理の取組み
      ・JR総武線、東京メトロ有楽町線、東京メトロ南北線、東京メトロ東西線
      飯田橋駅 C2出口より徒歩約7分
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      水道橋駅出口より徒歩約8分 定員 20名 受講料(税込) 無料 講師

      講師 :一般社団法人 日本食品安全協会理事長、鈴鹿医療科学大学 長村 洋一教授

      現職:鈴鹿医療科学大学 保健衛生学部教授、一般社団法人 日本食品安全協会理事長、藤田保健衛生大学名誉教授
      主な研究分野:食のバランスの本質に関する研究、疲労や睡眠とトリプトファン代謝に関する研究、抗酸化食品の有効性と安全性に関する研究
      主な著書:健康食品ポケットマニュアル(健康食品管理士認定協会)、健康食品学(日本食品安全協会)、臨床化学(講談社)等

      受講をお勧めする方 経営者様、経営企画、情報システム部門管理責任者様 主催 株式会社富士通マーケティング 共催 株式会社富士通システムズ・イースト、株式会社富士通システムズ・ウエスト リスク管理の取組み 協賛 詳細 ご案内状

      プログラム

      13:30~14:30 食の安全・安心をめぐる消費者心理と業界の在り方に望むこと
      講師:一般社団法人 日本食品安全協会理事長、鈴鹿医療科学大学 長村 洋一教授

      食と健康のかかわりで業界の方に知って頂きたいこと、食品添加物に消費者の誤解とその問題点、規制改革実施にともなう食品の機能性表示について解説をいたします。 14:30~15:10 食品製造・卸向け基幹システム 食品ERPクラウドサービス(仮称)のご紹介 リスク管理の取組み
      講師:株式会社富士通システムズ・イースト

      消費者、同業他社の動向などの外的環境変化へのスピーディーな対応が必要不可欠です。「食品ERPクラウドサービス(仮称)」では、業務の進捗状況を一目で感覚的かつ即座に確認できる操作性や情報の容易な「見える化」および鮮度管理やトレーサビリティといった「食の安全・安心」につながる取り組み支援を実現します。
      また、一定期間の無料体験版をご用意(予定)。実際にソフトを操作し、効果を実感・納得してから始められます。クラウド上のサービスを利用することにより、運用・保守をはじめさまざまな手間とコストを削減できます。 15:10~15:40 受発注・請求支払業務(流通BMS対応含む)クラウド型EDIサービス ChainFlow統合EDIサービスのご紹介
      講師:株式会社富士通システムズ・ウェスト

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      • 米国証券取引委員会(以下「SEC」という。)による気候変動情報開示規則案の公表
      • 国際サステナビリティ基準審議会(以下「ISSB審議会」という。)によるIFRS®サステナビリティ開示基準の公開草案の公表

      II.金融審議会/DWGにおける審議

      • 「サステナビリティ情報」について、以下の取組みを並行して進めていくことについてどう考えるか
        • 有価証券報告書にサステナビリティ項目に関する「記載欄」を設け、当初の開示項目として、「ガバナンス」と「リスク管理」は全ての企業が開示し、「戦略」と「指標と目標」は各企業が重要性を判断して開示する。
        • 任意開示等において、気候変動関連の開示の質と量の充実を促す。
        • サステナビリティ基準委員会(以下「SSBJ」という。)において、ISSB審議会等への意見発信を進めつつ、日本における実務面も踏まえた検討を進める。
        • SSBJの検討結果を踏まえ、DWGで改めてサステナビリティ開示の個別項目の取り扱いを議論するとともに、SSBJの役割の明確化に向けた検討を進める。
        • 中長期的な課題として、サステナビリティ開示における保証の在り方に関する検討を進める。
        • 中長期的な企業価値向上における人材戦略の重要性を踏まえた「人材育成方針」(多様性の確保を含む。)や「社内環境整備方針」の開示を求める。
        • 上記の「方針」と整合的で測定可能な指標の設定、その目標及び進捗状況の開示を求める。
        • 企業の多様性確保に係る指標として、中長期的な企業価値判断に必要な項目の開示を求めるとしたうえで、企業負担等の観点から、他の法律の定義・枠組みに従って開示する。

        III.経済産業省/非財務情報の開示指針研究会における討議

        2021年6月から、経済産業省に設置された非財務情報の開示指針研究会(以下「非財務研究会」という。)で、非財務情報の開示指針の方向性について認識の共有を行いつつ、非財務情報の利用者との質の高い対話につながる開示、及び開示媒体の在り方について検討がされている。2022年2、3月はISSB審議会のTechnical Readiness Working Group(以下「TRWG」という。)が公表したサステナビリティ関連財務情報開示の全般的な要求事項のプロトタイプ、及び気候関連開示プロトタイプに関する議論が行われた。

        IV.EFRAGによるサステナビリティ報告基準の作業文書の公表

        EUでは、2023年または2024年度からサステナビリティ情報の開示要求を大幅に拡充する方向で、指令の策定(Corporate Sustainability Reporting Directive:CSRD)に向けた検討が進められている。CSRD案では、新たに策定されるサステナビリティに係る報告基準に準拠して情報を作成することとされているが、この報告基準に係る作業文書が、EFRAGから2022年1月より続々と公表されている。

        図表1:欧州サステナビリティ報告基準の一覧(2022年1月時点)

        1. 一般的な要求事項
        2. 戦略及びビジネスモデル
        3. サステナビリティに関するガバナンスと組織
        4. サステナビリティに関する重要なインパクト、リスクと機会
        5. 方針、目標、行動計画及びリソースに関する定義
        1. 自社の従業員
        2. 自社の労働環境
        3. 自社の機会の平等
        4. 自社の労働関連の権利
        5. バリューチェーン上の従業員
        6. 影響を受けるコミュニティ
        7. 消費者、最終利用者
        1. ガバナンス、リスク管理、内部統制
        2. 製品・サービス、取引先との関係の管理・質
        3. 責任ある事業慣行
        1. セクター分類
          ※開示すべきセクター別情報は、ESRS SEC2からESRS リスク管理の取組み SEC41において決定される(ESRS SEC1 1項より)。

        (出所:PTF-ESRS Batch 1 working papers-Cover note and next stepsより筆者作成)

        V.TNFDによるフレームワークベータ版(v0.1)の公表

        1.TNFDとは

        まず、本ガイダンスの公表主体である自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:TNFD)について説明する。TNFDは、世界の金融の流れを自然にとってマイナスの結果からプラスの結果へとシフトさせるようサポートすることを究極の目的として、自然資本及び生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価し、開示するための枠組みを提供することを目標とした国際的な組織である。TCFDに続く枠組みとして、2019年に世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で着想され、2021年に立ち上げられている。日本では、環境省がTNFDの議論をサポートするステークホルダーの集合体であるTNFDフォーラムに参加している。

        2.TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク

        (3)自然関連リスクと機会を評価するためのLEAP(Locate、 Evaluate、 Assess、 Prepare:発見、診断、評価、準備)プロセス リスク管理の取組み

        (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P4より抜粋、一部追記)

        (1)自然を理解するための基本(となる知識)
        ここでは、自然、依存関係と影響、及び自然関連リスクと機会に関するTNFDの定義を示している。TNFDでは、自然を4つの領域(陸、海、淡水、大気)で構成されると定義し、環境資産(森林、湿地、サンゴ礁、農地など)を地球に自然に存在する生物と非生物の構成要素と定義している。また組織がビジネスプロセスを機能させるうえで依存している生態系サービス(清潔で定期的な水の供給など)を依存関係と定義している。組織は、環境資産や生態系サービスに対してプラスにもマイナスにもなる影響を与えるが、これにより将来の自然関連リスクと機会を生み出す可能性があるとしている。

        (2)TNFDによる情報開示の提言(草稿版)
        情報開示に関するTNFDの提言は、TCFDが既に提案した内容に基づいている。すなわち、図表2のように、情報開示に関するTCFDの4つの柱であるガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標に沿ったものとなっている。なお、指標と目標の温室効果ガスの開示については現在検討中であり、次版以降のベータ版に含められることが予定されている。

        図表2:情報開示に関するTNFDの提言(草稿版)

        (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・豊穣開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P6より抜粋)

        (3)自然関連リスクと機会を評価するためのLEAPプロセス
        TNFDの提言には、LEAP(Locate、 Evaluate、 リスク管理の取組み Assess、 Prepare:発見、診断、評価、準備)と呼ばれる自然関連リスクと機会に関する統合評価プロセスが含まれている。LEAPアプローチは、次の4つの中核的な分析アクティビティのフェーズから構成されている。

        (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P7より抜粋)

        VI.SECによる気候変動情報開示規則案の公表

        一部の大企業 [2] には、Scope1、2の温室効果ガス排出量について、当初、限定的保証業務を受けるほか、数年経過後に合理的保証業務を受けることが提案されている。現行の温室効果ガス排出量に対する保証業務は限定的保証業務がほとんどであるため、本規則案がそのまま最終化された場合には、開示を行う企業及び保証業務を提供する監査事務所等の双方への影響が大きいものと考えられる。

        VII.ISSB審議会によるIFRSサステナビリティ開示基準の公開草案の公表

        ISSB審議会は、3月31日に、公開草案「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的な要求事項(IFRS S1)」及び「気候関連開示(IFRS S2)」を公表した(以下「全般的な開示基準」及び「気候関連開示基準」という。)。本公開草案は、本稿3.でも触れた、TRWGによって作成されたサステナビリティ関連財務情報開示の全般的な要求事項のプロトタイプ及び気候関連開示プロトタイプをベースに、全般的な開示基準では定義の明確化、気候関連開示基準では移行計画及びカーボンオフセットに関する情報開示、シナリオ分析の要求事項などが追加されている [3] 。

        VIII.おわりに

        有限責任 あずさ監査法人
        アシスタントマネジャー 公認会計士
        渡部 瑞穂(わたなべ みずほ)

        関連リンク

        • アップデート!非財務情報開示の今 第1回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年6月までの動向)
        • アップデート!非財務情報開示の今 第2回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年7月までの動向)
        • アップデート!非財務情報開示の今 第3回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年8月までの動向)
        • アップデート!非財務情報開示の今 第4回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2021年9月までの動向)
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        アップデート!非財務情報開示の今 第8回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2022年1月~3月の動向)

        「週刊経営財務」(税務研究会発行)3552号(2022年4月18日)に「アップデート!非財務情報開示の今 第8回 非財務情報の開示を巡る.

          › ›
        • アップデート!非財務情報開示の今 リスク管理の取組み 第8回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2022年1月~3月の動向)

        ハイライト

        ※WEB上の機能制限により レイアウトや箇条書きの表示など 原稿とは異なる場合があります。ご了承ください。

        I.はじめに

        • 金融審議会/Disclosure Working Group(以下「DWG」という。)における審議
        • 経済産業省/非財務情報の開示指針研究会における討議
        • 欧州財務報告諮問グループ(以下「EFRAG」という。)によるサステナビリティ報告基準の作業文書の公表
        • 自然関連財務情報開示タスクフォース(以下「TNFD」という。)によるフレームワークベータ版(v0.リスク管理の取組み リスク管理の取組み 1)の公表
        • 米国証券取引委員会(以下「SEC」という。)による気候変動情報開示規則案の公表
        • 国際サステナビリティ基準審議会(以下「ISSB審議会」という。)によるIFRS®サステナビリティ開示基準の公開草案の公表

        II.金融審議会/DWGにおける審議

        • 「サステナビリティ情報」について、以下の取組みを並行して進めていくことについてどう考えるか
          • 有価証券報告書にサステナビリティ項目に関する「記載欄」を設け、当初の開示項目として、「ガバナンス」と「リスク管理」は全ての企業が開示し、「戦略」と「指標と目標」は各企業が重要性を判断して開示する。
          • 任意開示等において、気候変動関連の開示の質と量の充実を促す。
          • サステナビリティ基準委員会(以下「SSBJ」という。)において、ISSB審議会等への意見発信を進めつつ、日本における実務面も踏まえた検討を進める。
          • SSBJの検討結果を踏まえ、DWGで改めてサステナビリティ開示の個別項目の取り扱いを議論するとともに、SSBJの役割の明確化に向けた検討を進める。
          • 中長期的な課題として、サステナビリティ開示における保証の在り方に関する検討を進める。
          • 中長期的な企業価値向上における人材戦略の重要性を踏まえた「人材育成方針」(多様性の確保を含む。)や「社内環境整備方針」の開示を求める。
          • 上記の「方針」と整合的で測定可能な指標の設定、その目標及び進捗状況の開示を求める。
          • 企業の多様性確保に係る指標として、中長期的な企業価値判断に必要な項目の開示を求めるとしたうえで、企業負担等の観点から、他の法律の定義・枠組みに従って開示する。

          III.経済産業省/非財務情報の開示指針研究会における討議

          2021年6月から、経済産業省に設置された非財務情報の開示指針研究会(以下「非財務研究会」という。)で、非財務情報の開示指針の方向性について認識の共有を行いつつ、非財務情報の利用者との質の高い対話につながる開示、及び開示媒体の在り方について検討がされている。2022年2、3月はISSB審議会のTechnical Readiness Working Group(以下「TRWG」という。)が公表したサステナビリティ関連財務情報開示の全般的な要求事項のプロトタイプ、及び気候関連開示プロトタイプに関する議論が行われた。

          IV.EFRAGによるサステナビリティ報告基準の作業文書の公表

          EUでは、2023年または2024年度からサステナビリティ情報の開示要求を大幅に拡充する方向で、指令の策定(Corporate Sustainability Reporting Directive:CSRD)に向けた検討が進められている。CSRD案では、新たに策定されるサステナビリティに係る報告基準に準拠して情報を作成することとされているが、この報告基準に係る作業文書が、EFRAGから2022年1月より続々と公表されている。

          図表1:欧州サステナビリティ報告基準の一覧(2022年1月時点)

            リスク管理の取組み
          1. 一般的な要求事項
          2. 戦略及びビジネスモデル
          3. サステナビリティに関するガバナンスと組織
          4. サステナビリティに関する重要なインパクト、リスクと機会
          5. 方針、目標、行動計画及びリソースに関する定義
          1. 自社の従業員
          2. 自社の労働環境
          3. 自社の機会の平等
          4. 自社の労働関連の権利
          5. バリューチェーン上の従業員
          6. 影響を受けるコミュニティ
          7. 消費者、最終利用者
          1. ガバナンス、リスク管理、内部統制
          2. 製品・サービス、取引先との関係の管理・質
          3. 責任ある事業慣行
          1. セクター分類
            ※開示すべきセクター別情報は、ESRS SEC2からESRS SEC41において決定される(ESRS SEC1 リスク管理の取組み 1項より)。

          (出所:PTF-ESRS Batch 1 working papers-Cover note and next stepsより筆者作成)

          V.TNFDによるフレームワークベータ版(v0.1)の公表

          1.リスク管理の取組み TNFDとは

          まず、本ガイダンスの公表主体である自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:TNFD)について説明する。TNFDは、世界の金融の流れを自然にとってマイナスの結果からプラスの結果へとシフトさせるようサポートすることを究極の目的として、自然資本及び生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価し、開示するための枠組みを提供することを目標とした国際的な組織である。TCFDに続く枠組みとして、2019年に世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で着想され、2021年に立ち上げられている。日本では、環境省がTNFDの議論をサポートするステークホルダーの集合体であるTNFDフォーラムに参加している。

          2.TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク

          (3)自然関連リスクと機会を評価するためのLEAP(Locate、 Evaluate、 Assess、 Prepare:発見、診断、評価、準備)プロセス

          (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク ベータ版v0.リスク管理の取組み 1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P4より抜粋、一部追記)

          (1)自然を理解するための基本(となる知識)
          ここでは、自然、依存関係と影響、及び自然関連リスクと機会に関するTNFDの定義を示している。TNFDでは、自然を4つの領域(陸、海、淡水、大気)で構成されると定義し、環境資産(森林、湿地、サンゴ礁、農地など)を地球に自然に存在する生物と非生物の構成要素と定義している。また組織がビジネスプロセスを機能させるうえで依存している生態系サービス(清潔で定期的な水の供給など)を依存関係と定義している。組織は、環境資産や生態系サービスに対してプラスにもマイナスにもなる影響を与えるが、これにより将来の自然関連リスクと機会を生み出す可能性があるとしている。

          (2)TNFDによる情報開示の提言(草稿版)
          情報開示に関するTNFDの提言は、TCFDが既に提案した内容に基づいている。すなわち、図表2のように、情報開示に関するTCFDの4つの柱であるガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標に沿ったものとなっている。なお、指標と目標の温室効果ガスの開示については現在検討中であり、次版以降のベータ版に含められることが予定されている。

          図表2:情報開示に関するTNFDの提言(草稿版)

          (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・豊穣開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P6より抜粋)

          (3)自然関連リスクと機会を評価するためのLEAPプロセス
          TNFDの提言には、LEAP(Locate、 Evaluate、 Assess、 Prepare:発見、診断、評価、準備)と呼ばれる自然関連リスクと機会に関する統合評価プロセスが含まれている。LEAPアプローチは、次の4つの中核的な分析アクティビティのフェーズから構成されている。

          (出所:TNFD自然関連リスクと機会管理・情報開示フレームワーク ベータ版v0.1リリース エグゼクティブサマリー(日本語)P7より抜粋)

          VI.SECによる気候変動情報開示規則案の公表

          一部の大企業 [2] には、Scope1、2の温室効果ガス排出量について、当初、限定的保証業務を受けるほか、数年経過後に合理的保証業務を受けることが提案されている。現行の温室効果ガス排出量に対する保証業務は限定的保証業務がほとんどであるため、本規則案がそのまま最終化された場合には、開示を行う企業及び保証業務を提供する監査事務所等の双方への影響が大きいものと考えられる。

          VII.ISSB審議会によるIFRSサステナビリティ開示基準の公開草案の公表

          ISSB審議会は、3月31日に、公開草案「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的な要求事項(IFRS S1)」及び「気候関連開示(IFRS S2)」を公表した(以下「全般的な開示基準」及び「気候関連開示基準」という。)。本公開草案は、本稿3.でも触れた、TRWGによって作成されたサステナビリティ関連財務情報開示の全般的な要求事項のプロトタイプ及び気候関連開示プロトタイプをベースに、全般的な開示基準では定義の明確化、気候関連開示基準では移行計画及びカーボンオフセットに関する情報開示、シナリオ分析の要求事項などが追加されている [3] リスク管理の取組み

          VIII.おわりに

          有限責任 あずさ監査法人
          アシスタントマネジャー 公認会計士
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