今さら聞けないブル・ベアの意味とブルベア型ファンドの注意点
「ブル」は上昇相場(強気相場)を、ベアは下降相場(弱気相場)を表す用語です。
ブル・ベアの由来と覚え方
ブルベア型ファンド
参考:楽天証券『ブル・ベアファンド特集』
次は、ブル型・ベア型の投資信託について解説していきます。 一般的な投資信託よりも大きな利益が狙える ので、投資するかどうか考えるためにも、どんな商品なのかを理解していきましょう。
一般的なインデックスファンド
ブル型ファンド
以上のように、ブル型ファンドは 指数と同じ方向に値動きしますが、値動きの幅が大きく なります。
ベア型ファンド
ベア型ファンドは、 ブル型ファンド 指数と反対の方向に値動きし、しかも値動きの幅が一般的なインデックスファンドよりも大きくなります 。(インデックスと同じ幅で、方向だけが異なる商品も作ることはできます)
以上のように、ベア型ファンドは 指数と異なる方向に値動きし、しかも値動きの幅が大きく なります。
例では2倍としましたが、さまざまな値動きの幅を設定する商品があります。
ブルベア型ファンドのおすすめポイント
相場のトレンドを予測してブル型またはベア型の投資信託を買い、 予想が当たれば大きな利益を出せるメリットがあります 。しかし、予想が外れた場合などデメリットも多い投資方法なので、次は注意点も見ていきましょう。
ブルベア型ファンドの注意点
【資産運用】
投資信託を始めたころ、まったくの無知だった私は
ブルベア型のファンドで大失敗した経験があります😅あっという間に250万円を50万円まで溶かしてしまったっけ💦
その失敗を踏まえ、
今は大きなリスクはとらず、コツコツ投資を心がけています。コツコツは勝つコツです✨✨
— 江藤@40代でセミリタイア! (@Eto_fuyuki) June 30, 2019
損失が出るリスクも大きい
相場のトレンドの予想が当たれば大きな利益を狙えますが、ブルベア型ファンドには、 予想が外れれば大きな損失が出るリスク もあります。
このとき、ブル型ファンドは43%ものマイナスになってしまいます。 たった1日で、資産が半分近くまで減ってしまった ことになります。
放置で稼げる投資信託ではない
投資信託は、一般的には長期投資におすすめされており、 長い間ずっと保有し続けることでコツコツ利益を生んでいく商品が多い です。すなわち、 長く放置していても問題ない設計になっているものが多いのです 。
信託報酬が高め
ブルベア型ファンドは、 信託報酬が高め と言う特徴があります。 専門的で特殊な商品を組み合わせ、指数の数倍の値動きをするように設計しているため、運用コストが高いのです 。
信託報酬は、投資をしている間はずっと投資家が負担するコストです。信託報酬が高すぎると、 投資信託の利益を圧迫 してしまいます。 場合によっては、利益よりも信託報酬の方が高くなり、投資家は儲けるどころか損をする、というケースもあります 。
ブルベア型の投資信託は投資に慣れてきてから。
ブル・ベアの意味から、 ブルベア型ファンドのおすすめポイントと理解しておくべきリスク を解説してきました。
投資初心者の方は、 一般的なインデックスファンドから投資を始めて はいかがでしょうか。 投資に慣れてきてから、ブルベア型の投資信託も検討していくのが良いでしょう 。
S&P500・4倍ブル型ファンドに使い道はあるのか?
投資信託
このファンド自身,EDINETで公開されている有価証券届出書に,「 保有期間に応じ低減していく可能性が高く、中長期の保有には適していません 」と明記されている通り,ガチホによる長期投資には一般的には向いていません 1 詳細は省きますが,シャープレシオが元の指数より悪化するとともに,分散が大きくなるため. .一方で短期投資をするにしても,投資信託であるがゆえに,購入および売却時点では基準価額が不明であるため,より一層ギャンブル要素が高まります.
S&P500・4倍ブル型ファンド
S&P500としてETFのSPYをもとに,4倍ファンドをシミュレーションします.SPYの2006年6月22日〜2022年1月31日までの株価推移を元に,4倍ファンドを作ってみます.考慮するのは,ファンドの信託報酬 2 1.13%(税抜) と金利$r_$を考慮します.
\begin ブル型ファンド
spx4\_return = 4\cdot r_ – (daily\_fee + 3\cdot daily\_interest\_rate)
\end
SPYの日次リターンの経験分布と式(1)を用いて求めた4倍ファンドの経験分布は次のようになります 3 日次リターンを元にカーネル推定した分布になります. .金利は0%と5%の場合のみプロットしています.
リターン分布
4倍ファンドの分散が大きすぎてフラットな分布になっています 4 プラス側に値が飛びすぎてちゃんと推定できていない可能性があります .まさにギャンブルですね.
元本割れしない確率
名称 | 1年後 | 5年後 | 10年後 |
---|---|---|---|
spy | 68.79% | 86.05% | 93.72% |
spx4_0 | 56.41% | 63.ブル型ファンド 33% | 69.12% |
spx4_0.01 | 54.87% | 60.32% | 65.05% |
spx4_0.02 | 53.57% | 57.08% | 60.89% |
spx4_0.03 | 52.19% | 53.73% | 56.20% |
spx4_0.04 | 50.72% | 50.84% | 51.63% |
spx4_0.05 | 49.43% | 47.76% | 47.47% |
S&P500・4倍ブル型ファンドがS&P500よりリターンが高くなる確率
金利 | 1年後 | 5年後 | 10年後 |
---|---|---|---|
0 | 52.41% | 53.95% | 56.38% |
0.01 | 50.46% | 49.89% | 50.33% |
0.02 | 48.62% | 45.77% | 44.70% |
0.03 | 46.63% | 41.65% | 39.06% |
0.04 | 44.69% | 37.64% | 33.38% |
0.05 | 42.88% | 33.99% | 28.19% |
そのときのS&P500のリターンは?
金利 | 1年 | 5年 (年率換算) | 10年 (年率換算) |
---|---|---|---|
0 | 0.05505 | 0.3982 (0.06934) | 1.032 (0.07346) |
0.01 | 0.0638 | 0.4736 (0.08062) | 1.263 (0.08511) |
0.02 | 0.07231 | 0.5369 (0.08976) | 1.524 (0.09698) |
0.03 | 0.08434 | 0.5625 (0.09336) | 1.714 (0.105)ブル型ファンド |
0.04 | 0.095 | 0.654 (0.1059) | 2.027 (0.1171) |
0.05 | 0.09909 | 0.7342 (0.1164) | 2.362 (0.1289) |
ということで, 4倍ファンドを使って投資する場合は,金利の見通しがどれくらいで,$n$年後にどれくらいのリターンが欲しくて,要求されるS&P500のリターンは現実的なのかを検討したうえで行った方が良いでしょう. 因みに,短期投資する場合でも,投資期間内でS&P500より高いリターンを得るために必要なS&P500のリターンが得られそうかどうかを検討した上で利用するのがよさそうです.
S&P500・4倍ブル型ファンド
S&P 500®はS&P Dow Jones Indices LLCまたはその関連会社(「SPDJI」)の商品であり、これを利用するライセンスがT&D アセットマネジメント株式会社に付与されています。Standard & Poor’s®およびS&P®、S&P 500®、US 500™、The 500™は、Standard & Poor’s Financial Services LLC(「S&P」)の登録商標で、Dow Jones®は、Dow Jones TrademarkHoldings LLC(「Dow Jones」)の登録商標です。これらの商標を利用するライセンスがSPDJIに、特定目的での利用を許諾するサブライセンスがT&Dアセットマネジメント株式会社にそれぞれ付与されています。S&P500・4倍ブル型ファンドは、SPDJI、Dow Jones、S&P、それらの各関連会社によってスポンサー、保証、販売、または販売促進されているものではなく、これらのいずれの関係者も、かかる商品への投資の妥当性に関するいかなる表明も行わず、S&P 500®のいかなる過誤、遺漏、または中断に対しても一切責任を負いません。
ファンドは、日々の基準価額の値動きが、S&P500指数(米ドルベース)の日々の値動きの「概ね4倍程度」となる投資成果を目指すものであり、投資家ごとの保有期間中の投資成果が「概ね4倍程度」になるとは限りません。したがいまして、たとえ正確に運用目標が達成されたとしても、 2日以上離れた日との比較においては、「概ね4倍程度」の投資成果が得られるわけではありません。
そのため、 保有期間に応じ価値が低減していく可能性が高く、中長期の保有には適していません ので、十分ご留意ください。
ファンドでの事例
前日との騰落率比較 ブル型ファンド
基準日との騰落率比較
ファンドの基準価額の変動要因となる主なリスク
- 株価変動リスクおよび為替変動リスク
- カントリーリスク
- レバレッジリスク
その他の留意点
- ファンドのお取引に関しては、金融商品取引法第37条の6の規定(いわゆるクーリング・オフ)の適用はありません。
- 分配金に関する留意点
- 分配金は、預貯金の利息とは異なり、投資信託の純資産から支払われますので、分配金が支払われると、その金額相当分、基準価額は下がります。
- 分配金は、計算期間中に発生した収益(経費控除後の配当等収益および評価益を含む売買益)を超えて支払われる場合があります。その場合、当期決算日の基準価額は前期決算日と比べて下落することになります。また、分配金の水準は、必ずしも計算期間におけるファンドの収益率を示すものではありません。
- 投資者のファンドの購入価額によっては、分配金の一部または全部が、実質的には元本の一部払戻しに相当する場合があります。ファンド購入後の運用状況により、分配金額より基準価額の値上がりが小さかった場合も同様です。
- 担保付円建債券の売買・評価価格とインデックスとの差異
- 市場の大幅な変動や流動性の低下等により、必要な取引数量の全部または一部についてその取引が成立しない場合
- 取引を行う市場における取引規制
- 運用資金が少額、または購入、換金等により大幅な増減があった場合
- ファンドの流動性を確保するために、ファンドの一部を短期金融資産等に投資する場合
- ファンドの運用管理費用(信託報酬)、監査費用等
投資者が直接的に負担する費用
購入時手数料 購入価額に、 3.30%(税抜3.00%)を上限 として販売会社が個別に定める率を乗じて得た額とします。
購入時手数料は、ファンドの商品説明、販売に係る事務費用等の対価です。
詳しくは販売会社にお問い合わせください。 信託財産留保額 ありません。投資者が信託財産で間接的に負担する費用
- 信託財産にかかる監査費用および当該監査費用にかかる消費税等に相当する金額は、受益者の負担とし、信託財産中から支弁します。
- 証券取引に伴う手数料、組入資産の保管に要する費用等は、信託財産中から支弁します。
これらの費用・手数料については、運用状況等により変動するものであり、事前に料率・上限額等を示すことができません。 - 投資対象とする担保付円建債券の価格は、年率0.30%程度の管理費用等が差し引かれています。
購入単位 販売会社が定める単位
詳しくは販売会社にお問い合わせください。 購入価額 ブル型ファンド 購入申込受付日の翌営業日の基準価額 購入代金 販売会社が定める期日までにお支払いください。 換金単位 販売会社が定める単位 換金価額 換金申込受付日の翌営業日の基準価額 換金代金 原則として換金申込受付日から起算して6営業日目からお支払いします。 申込締切時間 原則として午後3時までに販売会社が受付けたものを当日の申込分とします。 購入の申込期間 2022年2月18日から 換金制限 信託財産の資金管理を円滑に行うために大口の換金申込には制限を設ける場合があります。 購入・換金申込受付の
中止および取消し 以下の場合には、購入、換金の申込の受付を中止することおよびすでに受付けた申込の受付を取消すことがあります。
・金融商品取引所における取引の停止
・外国為替取引の停止
・決済機能の停止
・組入れた担保付円建債券の換金ができなくなったとき
・インデックス*の算出が停止されたとき
・その他やむを得ない事情があるとき 信託期間 2025年2月17日まで(2022年2月17日設定) 繰上償還 以下の場合には繰上償還されます。
・インデックス*の算出が中止されたとき
・投資対象とする担保付円建債券が存続しないこととなったとき以下の場合には繰上償還となることがあります。
・受益権の総口数が10億口を下回ることとなったとき
・信託契約を解約することが受益者のため有利であると認めたとき
・インデックス*に重要な変更があったとき
・その他やむを得ない事情が発生した場合等 決算日 2月17日(休業日の場合は翌営業日)。初回決算日は2023年2月17日です。 収益分配 年1回、毎決算時に収益分配方針に基づいて収益の分配を行います。
収益分配金は、税引後無手数料で再投資が可能な場合があります。
ただし、必ず分配を行うものではありません。 信託金の限度額 1,000億円 公告 委託会社が投資者に対してする公告は、原則として電子公告により行い、委託会社のホームページに掲載します。 運用報告書 毎決算時および償還時に交付運用報告書を作成し、販売会社を通じて知れている受益者に交付します。 課税関係 課税上は、株式投資信託として取扱われます。
公募株式投資信託は税法上、少額投資非課税制度および未成年者少額投資非課税制度の適用対象です。
配当控除の適用はありません。 申込不可日 下記のいずれかに該当する日には、購入、換金の申込みはできません。
・ シカゴ・マーカンタイル取引所(Globex)の休業日
・「委託会社の休業日でありかつシカゴ・マーカンタイル取引所(Globex)の休業日でない日」の前営業日ブル・ベアファンド特集
値動きが大きくなる分、大きな損失が生じる可能性も。 ブル型ファンドやベア型ファンドは、レバレッジを効かせて運用するため、一般的なインデックスファンドなどと比べて基準価額の値動きが大きくなります。「ほったらかし」にするのではなく、購入後は、頻繁に基準価額を確認することをおすすめします。 市場が一方向に動かない場合、ブル型・ベア型共に損失が発生する可能性も。 ブル型ファンドやベア型ファンドは、市場が一方向に動かないと、どちらに投資してもリターンを期待しにくくなります。
例えば、図3のように、対象指数が20日間にわたって連日同じパーセンテージで上昇と下落を繰り返した場合、最終的に、ブル型ファンド、ベア型ファンドのリターンはともに対象の株価指数を下回ってしまっています。このように、対象の指数が上昇と下落を繰り返すと、「負の複利効果」が働いてしまい、基準価額が日々少しずつ下落してしまうのです。レバレッジETF(ブル・ベア型ETF)の特性と減価の仕組み
ファイナンス理論では株価は正規分布するという仮定が置かれます。 ただし、実際の株価は正規分布よりも裾野が広い(ロングテール)です。 トレーダ .
レバレッジETFとは
ブル型ファンドとベア型ファンド
レバレッジETFは、日次の基準価額(ETFの時価評価額)の変動が、対象となる指数の2倍になるように運用するETFです。レバレッジ型ファンド、ブル型ファンドと呼ばれます。
野村アセットの日経平均レバレッジETF(1570)のような、日経平均のブル2倍ファンドであれば、日経平均の騰落率が+2%の日にはETFの基準価額は+4%になるように運用します。また、日次の基準価額の変動が対象指数と逆になるように運用するファンドをインバース型ファンドまたはベア型ファンドと呼び、これにレバレッジをかけたものもあります。
冒頭で出てきた日経平均ダブルインバースETF(1357)は、日経平均のベア2倍ファンドなので、日経平均の騰落率が+2%の日にはETFの基準価額が-4%になるように運用します。日次以外の騰落率はもとの指数と乖離する
レバレッジETFはブル型もベア型も、日次の基準価額の変動をもとの指数の2倍にするだけです。したがって、月間や年間では日経平均ブル2倍ファンドの騰落率はもとの日経平均の2倍になりません。
例えば、もとの指数の騰落率が、+3%、-3%、+5%、-5%、+10%となった時の、レバレッジなし、ブル2倍、ベア2倍の騰落率と価格変化は以下のとおりです。
ダブルインバースは3年後に日経平均が半値になれば2倍になっているファンドではありませんし、ブル2倍は3年後の日経平均が2倍になれば4倍になっているファンドではありません。
3年後のレバレッジETFの価格は、もとの指数の3年間の騰落率ではなく、3年間の間にどう動いたかに左右されます。減価の仕組み
3%上がってから3%下がると最初の価格よりも減る
ブル型ファンド
ブル型ファンドレバレッジなし 騰落率 3% -3% 価格 100 103.00 99.91 ブル2倍
(レバレッジ)騰落率 6% -6% 価格 100 106.00 99.64 ベア2倍
(ダブルインバース)騰落率 -6% 6% 価格 100 94.00 99.64 レバレッジなしだと3%上がったあとに3%下がるような設例ですが、2期間終了後の価格は99.91になっており、当初の100を割っています。
100の時の3%(3)よりも103のときの3%(3.09)の方が大きいためです。複利効果で資産価格が上昇していくのはこのためです。
投資家の元本に注目すると、
「上がった後に同じ率だけ下がると、上がる前より資産が減少する」
「下がった後に同じ率だけ上がっても、下がる前の状態には戻らない」
ということになります。
また、掛け算なので、上がった後に下がった場合(上表のレバ2倍)と、下がった後に上がった場合(上表のダブルインバース)でリターンに差が出ません。これは、レバレッジなし指数も同様ですが、ブル2倍やベア2倍はもとの指数よりも日次の騰落率が大きいため、この影響がより大きくなります。
ファンドの目論見書等に「レバレッジETFはトレンドが明確な相場では有利だが、レンジ内でもみ合う展開では不利」とあるのはこのためです。レバレッジETFのオペレーション(高く買い、安く売る?)
少し長くなりますが、前項の「上がった後に同じ率だけ下がると、上がる前より資産が減少する」という現象を、レバレッジETFの運用方法から見ます。
レバレッジETFが「日次で元の指数のX倍の騰落率」を実現し続けるためには、頻繁にファンドの先物ポジションを調整する(リバランスする)必要があります。最初に、リバランスを全く行わないとどうなるか数値例で示します。
これは、期初日経平均22,000円でファンド純資産10億円のレバレッジ2倍ファンドがあるときに、日経平均が+3%、+5%、-3%変動した場合の数値例です。
期初の保有先物の時価総額は22,000円✕90,910枚=20億円です。ファンドの純資産が10億円なのでちょうどレバレッジ2倍です。
1日目に日経平均が3%上昇すると、ファンドが保有する先物の時価総額は22,660✕90,910=20.60億円になり、ファンドの純資産総額も0.60億円増えます。
ここで、1日目の終了時点でレバレッジを計算すると、20.6億円÷10.6億円の1.94倍まで低下します。分子が3%増加(等倍)し、分母が6%増加(レバ2倍)したためです。
この状態で2日目に日経平均が+5%上昇すると、保有先物は23,793✕90,910=21.63億円になり、ファンドの純資産は10.60億円から11.63億円(10.6+(21.63-20.60))になります。
このとき、ファンドの日次騰落率は(11.63億円-10.60億円)÷10.60億円で9.72%となり、10%より小さくなります。レバレッジが落ちていたためです。こうならないために、レバレッジETFでは、株価上昇でレバレッジが落ちたときには先物買いを増やし、株価下落でレバレッジが上昇したときには先物買いを減らすリバランスを行います。
こちらも数値例で見ます。この設例は、リバランスなしと同じ騰落率の時に、当日の日経平均が上昇しレバレッジが下がりそうな日(1日目と2日目)にはレバレッジ2倍になるように先物を増やす、日経平均が下落しレバレッジが上がりそうな日(3日目)にはレバ2倍になるように先物を減らすというリバランスを実施した場合のものです。
こうしてレバレッジ比率がブレないようにリバランスすることで、日次でもとの指数の2倍になるのです。
(終値で売買する想定です。15時に日経平均の終値を確認し15時15分までに先物で調整するとこれに近いオペレーションになると思います。実際には翌日に前日終値ベースのレバレッジを確認し当日の株価を見ながら調整していると想像しています。
ただ、詳細な運用方法は非開示なので執筆者の想像です。ご留意ください。)この日次X倍のためのオペレーションは、結局、株価が上がったらで買い・下がったら売るというトレンドフォローを繰り返すものです。
「トレンドが明確な相場では有利だがレンジ内でもみ合う展開では不利」というのはファンドの運用方法から生じる必然でもあるのです。手数料要因
レバレッジ型ETFはレバレッジをかけないものよりも信託報酬が高いです。流動性の高い野村アセットのETFだと、ブル2倍の1570、ベア2倍の1357ともに税抜0.80%と、手数料控えめのアクティブファンド並に高いです。後発の楽天証券のものは信託報酬0.35%程度ですが、それでも現物よりはだいぶ高いです。
レバレッジ型という商品性から直接導き出される帰結ではありませんが、これも減価要因になります。ベア型の場合のみ:平均リターンに逆らう
広く分散された株価指数は、ボラティリティは大きいものの平均リターンはプラスだと考えられています。日本株で7%、全世界株8%くらいで見ている人が多いと思います。これは、指数構成企業の平均的な収益率と見てもいいですし、投資家の享受するマーケットリスクプレミアム(市場リスクを取ることへの報酬)と見てもよいです。
減価という表現は適切ではないかもしれませんが、長期でベア型(インバース型)ファンドを保有する行為はこの市場の平均的な収益率に逆らうことになります。おわり:ジュニアNISAの時間軸とマーケットタイミング
ジュニアNISAの時間軸とマーケットタイミング
ジュニアNISAは、非課税になるのは子供が20歳になるまでで、一度売却したらその枠は終わりという制度です。
したがって、運用期間がそれほど長くない親御さんも実は相当数いると推察します。
例えば、子供が現在15歳なら非課税期間は残り5年なので、運用期間は「ジュニアNISA」という言葉のイメージほどは長くありません。
10年だと微妙ですが「5年以内」であれば、相場観(マーケットタイミング)を持ってレバレッジETFやインバースETFを購入する時間軸として不適切だとは思いません。
もちろん「ダブルインバースは3年後に日経平均が半値になれば2倍になっているファンド」と誤解して買っているのであれば不勉強なので、この点はよく理解すべきです。関連記事
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