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ストックオプションの意味とは

ストックオプションの意味とは

1500万ドルのシナリオでは、普通株・オプション保有者が受け取る金額はさらに低くなります。なぜなら、シリーズA投資家が残余財産優先分配権の1000万ドルに加えて、残りの500万ドルの50%を受け取り、合計1250万ドルの分配を受けるので、他の株主が受け取る金額がわずか250万ドルしか残らないからです。

ストックオプションに税金がかかるタイミングは? ストックオプションの意味とは その計算方法も解説

ストックオプションに税金がかかるタイミングは? その計算方法も解説

一 当該新株予約権の行使は、当該新株予約権に係る付与決議の日後二年 を経過した日から当該付与決議の日後十年を経過する日までの間に行わなければならないこと。 ストックオプションの意味とは
二 当該新株予約権の行使に係る権利行使価額の年間の合計額が、千二百万円を超えないこと。 三 当該新株予約権の行使に係る一株当たりの権利行使価額は、当該新株予約権に係る契約を締結した株式会社の株式の当該契約の締結の時における一株当たりの価額に相当する金額以上であること。

引用:e-GOV ストックオプションの意味とは | 租税特別措置法 第二十九条の二

ストックオプションの種類2:税制非適格ストックオプション

ストックオプションの種類3:有償ストックオプション

ストックオプションへの税金の課税のタイミング

ストックオプションへの課税タイミング1:ストックオプションを取得したとき

ストックオプションへの課税タイミング2:ストックオプションの権利を行使したとき

▽租税特別措置法に定められた税制適格ストックオプションにおける年間の権利行使価額上限

ストックオプションでの課税タイミング3:ストックオプションの権利行使によって取得した株式を譲渡したとき

▽ストックオプション税制適用の場合の課税タイミング

ストックオプション課税特例

税制適格ストックオプションの税金、計算方法や確定申告に必要な書類は?

税制適格ストックオプションの税金の計算方法

▽税制適格ストックオプションにかかる税計算のための譲渡所得の算出式

譲渡所得=譲渡価額 - 取得価額 - 譲渡費用

税制適格ストックオプション権利行使における確定申告に必要な書類

・印鑑
・給与所得、退職所得、公的年金などの源泉徴収票
・取引報告書、受取計算書など1年の取引の損益が計算できるもの
・個人番号および本人確認書類
・申告書B(第一表)
・申告書B(第二表)
・申告書第三表(分離課税用)
・株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書(1面、2面)
・計算明細書(特定権利行使株式分が有る場合)
・ストックオプション付与契約書の写し

税制非適格ストックオプションの税金、計算方法や確定申告に必要な書類は?

税制非適格ストックオプションの税金の計算方法

▽税制非適格ストックオプションの税計算のための経済的利益の算出式

経済的利益=権利行使時の時価 -(取得価額+権利行使価額)

▽税制非適格ストックオプションの譲渡時にかかる税計算のための譲渡所得算出式

譲渡所得=譲渡価額 - 取得価額 - 譲渡費用

税制非適格ストックオプションの権利行使における確定申告に必要な書類

・印鑑
・給与所得、退職所得、公的年金などの源泉徴収票
・取引報告書、受取計算書など1年の取引の損益が計算できるもの
・個人番号および本人確認書類
・申告書B(第一表)
・申告書B(第二表)
・申告書第三表(分離課税用)
・株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書(1面、2面)

有償ストックオプションの税金、計算方法や確定申告に必要な書類は?

有償ストックオプションの税金の計算方法

▽有償ストックオプションにかかる税計算のための譲渡所得算出式

譲渡所得=譲渡価額 - 取得価額 - 譲渡費用

有償ストックオプションの権利行使時における確定申告に必要な書類

・印鑑
・給与所得、退職所得、公的年金などの源泉徴収票
・取引報告書、受取計算書など1年の取引の損益が計算できるもの
・個人番号および本人確認書類
・申告書B(第一表)
・申告書B(第二表)
・申告書第三表(分離課税用)
・株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書(1面、2面)

ストックオプションはどのように機能するか (a16z)

資本政策表(「キャップ」テーブル)には、会社の株主全員の持分が反映されます。創業者、オプションを有する従業員、もちろん投資家も含まれます。ほとんどの人にとって、会社への実際の持分比率を知るのに必要なのは、完全希薄化後株式数と、各種類の株主に関する幅広い所有状況に加えて、その他多少の情報だけです。完全希薄化後株式数基本株式数に対して)とは、全ての既存株式の合計数に、オプション、ワラント、未発行オプションなど、最終的に株式に転換され得る資産を加えたものです。

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しかし、これはまだ持分の話の出発点にすぎません。会社の持分比率に関する分析は、特定の時点にしか当てはまらないからです。時間と共に、様々な要因が完全希薄化後株式数を増加させます。オプションの新規発行、買収、新しい資金調達条件などにより、持分比率が低下する可能性があります。当然ですが、時と共にオプション数が増加することで、Refresher GrantsまたはPerformance Grantsを通した利益を得られることもあります。しかし分子が変化すると、必ずそれに対応して分母が変化します。

資金調達の記録

    ストックオプションの意味とは
  • 当初発行価格とはその名の通り、投資者が株の購入で支払った一株当たり株価をいいます。この価格により、各時点で様々な機関投資家が考えていた会社の価値を知ることができます。
  • 転換価額とは、優先株が普通株に転換される際の一株当たり株価をいいます。「優先」株は通常投資家が保有するもので、その他の「普通」株にはない特定の企業統制権や残余財産優先分配権が付属しています。

従業員オプションの権利行使価額(株式を実際に保有するのに必要な一株当たり株価)は、優先株を保有する最も最近の投資者が支払った当初発行価格より低い価格であることも多いです。価値の差の大きさは、特定の権利や会社の全体的な成熟性に依存します。外部の査定会社は「409a評価」(内国歳入庁の税法の条項名に由来します)と呼ばれる評価を行い、正確な価格を判断します。

希薄化

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完全希薄化後株式数の増加数は、資金調達での新規発行株式数に等しいです。新たに2万株が完全希薄化しました。つまり、従業員が保有するオプション100株による持分比率は、会社の100/2万すなわち0.5%に相当します。最初の1%より低下しています。しかし…その持分の価値は大きく上昇しています。一株当たり株価が1000ドル、出資額は 100株 * 1000ドル/株 = 10万ドル になりました。

希薄化は様々ですが、共通するのは、多数の投資家を対象とする希薄化防止策を伴うという点です。基本的なアイデアは、もし会社が将来のラウンドで資金調達を行う価格が、現在投資家が参加しているラウンドの価格より低い場合、投資家に追加で株式を発行することで、将来の価格低下から保護するというものです。(追加される株式数は方式に応じます)

希薄化防止策(しばしば加重平均法と呼ばれます)の多くは、従業員に対する希薄化が比較的弱いです。投資家の保護が控えめだからです。一方、フルラチェットと呼ばれる希薄化防止策では、他の株主に影響が及びます。投資家が過去のラウンドで支払った価格が、現在のラウンドで支払われる新しい価格(低い価格)に等しくなるよう、100%の調整を行うというものです。したがって、仮に投資家が過去のラウンドで一株2ドルで1000万株を購入し、その株価が現在のラウンドで一株当たり1ドルまで下落した場合、その差額を相殺するために2倍の株式数が付与され、合計2000万株を保有することになります。それに応じて、完全希薄化後株式数が1000万株増加します。保護を受けていない株主(従業員を含む)は、まさにこの時点で希薄化されたことになります。

ちなみに、これは単に理論的なものではありません:私たちはフルラチェットの効果をSquare のIPOで見ています。Square の IPOでは、シリーズE投資家が株式の追加発行を受けました。投資家が最初に株式を購入した際の価格と比べ、IPO価額が半分だったからです。

残余財産優先分配権

一部の投資家は、持ち株に残余財産優先分配権を付属させることがあります。残余財産優先分配権とは、単純にいえば、会社売却など流動化イベントが発生した場合に、投資家が他の株主(オプションを保有する従業員のほとんどを含みます)より先に投資額を回収できというものです。

残余財産優先分配権の仕組みを説明するために、例に話を戻しましょう。会社が1億ドルで売却されたという想定です。シリーズA投資家(会社に1000万ドル投資し、持分比率が50%)は、売却により1000万ドルを回収する(残余財産優先分配権)か、企業の価値の50%を保有する(50% * ストックオプションの意味とは 1億ドル = 5000万ドル)かを選ぶことができます。投資家は当然ながら5000万ドルを取るので、それ以外の普通株・オプション保有者の株主価値は、5000万ドルになります。

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それでは、例で売却額が1500万ドル(1億ドルではなく)だった場合を想定しましょう。以下の表の通り、シリーズA投資家は1000万ドルの残余財産優先分配権を選択します。なぜなら、経済的持分(50% * 1500万ドル = 750万ドル)が、残余財産優先分配権を行使した場合の金額より小さいからです。これで、普通株・オプション保有者の持分は、5000万ドルから500万ドルまで下落します。

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シナリオ3。行使され得る残余財産優先分配権には、契約条件によって様々な種類があります。ここまでは、1倍の非参加型優先分配権の説明でした。投資家は、投資金額の1倍、または企業の持分比率に基づき得られる金額の高い方から選択するしかありません。

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最後に、「二重取り」と俗に呼ばれる参加型優先分配権を付与された場合どうなるか見てみましょう。

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1500万ドルのシナリオでは、普通株・オプション保有者が受け取る金額はさらに低くなります。なぜなら、シリーズA投資家が残余財産優先分配権の1000万ドルに加えて、残りの500万ドルの50%を受け取り、合計1250万ドルの分配を受けるので、他の株主が受け取る金額がわずか250万ドルしか残らないからです。

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IPO

しかし、IPOの強制転換条項はガバナンスの問題に見せかけた経済的な問題であり、注目に値します。強制転換条項は、誰がIPOを承認するかを決める言語です。多くの場合、優先株主が1つの株式クラスの株主として投票し、IPOを承認します。優先株主の票を合計した結果、大多数を獲得した側の勝利です。一人一票が保証されるので、会社にとって良い抑制となります。ただし、各優先株主の発言権は会社への持分比率に応じます。

ISO対NQO(および権利行使期間)

一般的に、最も好ましい種類のオプションは、株式報酬型ストックオプション(ISO)です。ISOでは、オプションの権利行使価格とその公正な市場価格の差額について、行使時に税金を支払う必要がありません(ただし、代替最小税額が課される場合があります)。ISOとは要するに、スタートアップの従業員が対象株券を売却するまで、税金の支払いを延期できるということです。権利行使日から1年間保持すると(かつ付与日から2年間)、キャピタルゲイン税制措置の対象になります。

非法定オプション(NQO)は、株式を長期保持することを選んだとしても、権利行使時に税金を支払う必要があるという点で、ISOより好ましくありません。税額は権利行使日に基づき計算されるため、従業員は過去の、より高い株価に基づく税額を課されます。株価が後に下落する場合でもです。

M&A

  • シングルトリガーでは、単一の「トリガー」イベントに基づき、権利未確定オプションが繰上確定します。このシナリオでは、会社の買収がそれに当たります。よって、従業員は新しい雇用主のもとに留まるか否かに関わらず、権利確定から利益を得ることができます。
  • ダブルトリガーでは、買収が発生するだけでは繰上権利確定の条件を満たしません。従業員が新しい会社にオファーを受けていないか、または職務が前の企業と全く異なるという条件を満たす必要があります。

* * *
先にも述べた通り、報酬と持分比率に関する事柄はすべて、信頼の構築と舵取りが本質です。その手段として、教育、コミュニケーション、透明性が用いられます。また、米国証券取引委員会の重要な規則がここで影響を及ぼします:規則701、従業員ストックオプション発行の免除(Rule 701, the exemption for issuing employee stock options)。この規則によれば、一年のオプション発行額が約500万ドルまでの場合、会社は付与対象者にオプションプランの写しを提供する必要があります。会社の年間発行額が500万ドルの制限を超えると、プランの重要な条件内容やリスク因子、2年分のGAAP財務諸表などの概要情報も提供する必要が生じます。素晴らしいことです。

著者紹介

Scott Kupor は Andreessen Horowitz のマネージング・パートナーで、当事務所の運営全般を担当しています。2009年の設立以来、Andreessen Horowitz に勤務し、3名の従業員から150名以上の従業員へ、また3億ドルの運用資産から100億ドル以上へと急成長を遂げてきました。

Andreessen Horowitzに入社する前は、Hewlett PackardでSoftware-as-a-Serviceのバイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャーを務めていました。Opswareの買収の一環で2007年にHPに入社し、カスタマー・ソリューション担当シニア・バイス・プレジデントを務めました。この役職では、プロフェッショナル・サービス、技術的なプリセールス、カスタマー・サポートなど、顧客とのやり取りをグローバルに担当していました。Scott は、オプスウェアの設立直後に入社し、財務計画担当バイス・プレジデントや企業開発担当バイス・プレジデントなど、数多くの管理職を歴任しました。これらの職務では、2001年の新規株式公開と同時に、同社のプライベート・ファイナンス活動を指揮しました。スコットはまた、同社のアジア太平洋地域での事業を開始し、同社の複数の買収の実行を指揮しました。

ストックオプション付与時の新株予約権割当契約書の役割と注意点について解説

ストックオプション(SO:Stock Option)は、将来の株価の上昇を見込み、株式会社の取締役や従業員があらかじめ定められた一定の価格(権利行使価格)で自社株を購入できる権利のことです。自社が株式公開を果たした後、自社の株価が上昇した時にストックオプションを行使することによって、権利行使価格と株価との差の利益を得ることができます。つまり、取締役や従業員が頑張って自社を上場させ、取締役等がさらに頑張って自社の業績を上げ株価が上げることで、取締役等は株価と権利行使価格との差額を利益として得ることができるという点で、スタートアップ企業やベンチャー企業の業績連動型のインセンティブ制度として導入されることが多いです。
ストックオプションは米国で誕生し、1960年以降広く普及しました。日本では1997年の商法改正により導入が可能となり、その後の法整備により徐々に導入する企業が増えてきました。

2.非公開会社におけるストックオプションの発行手続

ストックオプションは日本の法制度では会社法上の新株予約権の一種として発行されます。新株予約権の発行手続では、原則として、募集事項の決定と通知後に新株予約権の申込みと割当てという手続きが必要とされています。しかし、ストックオプションの場合は付与対象者が予め決まっている場合が多く、申込みと割当ての手続きを省略できる総数引受方式による手続が行われることが多いです。もっとも、この場合でも、発行するストックオプションに譲渡制限が付されている場合は、発行会社は株主総会により、総数引受契約の承認を得る必要があります。
加えて、取締役等の役員に対してストックオプションを発行する場合は、原則的に職務執行の対価となるため、報酬決議として株主総会決議(会社法361条1項)が別途必要となる点には注意が必要です。

3.税制適格の要件を充たすためにも大切

ストックオプションは柔軟に設計することができますが、税制優遇措置を受けるためには租税特別措置法で定められた税制適格の要件を満たす必要があります。税制適格の要件を満たすか否かによって、税金がかかるタイミングや税率に以下のような差が生じます。

税金がかかるタイミング 税率
税制適格 株式売却(譲渡)時のみ 譲渡所得課税(20%)
税制非適格 二度課税される
・権利行使時
・株式売却(譲渡)時
・権利行使時:給与所得課税
最高で55%(住民税含む)
・株式売却時:譲渡所得課税(20%)

上記を簡単に説明します。ストックオプションは、株式を売却して利益を得るまでの流れとして①ストックオプション付与②ストックオプション行使(株式取得)③取得した株式売却、という順序をたどります。
取締役や従業員に対するストックオプションの付与(①)は、無償で行われるため、この時点では課税関係は発生しません(有償で発行されるケースもあり)。
ストックオプションの行使(②)により、行使者である取締役等は、自社の株式を取得します。もっとも、この時点では行使者である取締役等は、単に株式を取得したにすぎず、金銭を得ていないのです。にもかかわらず、税制非適格ストックオプションだと、ストックオプションの行使時、つまり株式の取得時において課税されてしまいます。しかも、給与所得として累進課税の対象となるため、報酬が高い取締役が税制非適格ストックオプションを行使した場合、最高で50%を超える税率(所得税と住民税)が課されることとなってしまいます。対して、税制適格ストックオプションであれば、ストックオプションの行使(②)時点では課税されず、具体的な金銭の取得がある株式売却時(③)で初めて課税されることになります。しかも、税制適格ストックオプションは、利益全額につき譲渡所得課税(給与所得課税より税率が低くなるケースがある)されるため、この点でも取締役等の税負担を減らすことができます。

このように税制適格の要件を満たすか否かによって大きな差が生じます。そのため、新株予約権割当契約書に税制適格の要件を満たすための規定を設けることが大切です。税制適格ストックオプションを発行するには、租税特別措置法等の関係法令の要件を満たす必要があります。したがって、税制適格ストックオプションを発行したい場合は、税理士や弁護士等の専門家の関与が必須です。

新株予約権割当契約書(付与契約書)の項目と留意点

1.行使期間

会社法上、ストックオプションとしての新株予約権の行使期間の制限はありません。付与後にすぐに行使できる設計にすることも可能です。
もっとも、租税特別措置法上、税制適格の要件を充たすためには、ストックオプションの付与決議日から起算して2年~10年の8年間の期間に行う必要があります。したがって、税制適格ストックオプションとして発行するには、ストックオプションの内容及び新株予約権割当契約書において、権利行使期間として「付与決議日後、2年を経過してから10年経過日までの間」であることを明記する必要があります。

2.ベスティング

ストックオプションには、優秀な人材を長期的に確保するという目的もあります。権利行使期間になりストックオプションを行使できるタイミングにおいて、仮に従業員がそのすべてのストックオプションを行使できるとすれば、取得した株式をすべて売却して退職してしまうかもしれません。そうすると、せっかくストックオプションを発行してまで確保しようとした優秀な人材が権利行使により退職してしまい、ストックオプションの目的を十分に果たせないことになってしまいます。
そこで、権利行使期間であっても、付与されたストックオプションを一括して行使することはできないと定め、段階的にストックオプションを行使させることで、従業員の退職を防止することができます。例えば、権利行使期間の最初の1年間はストックオプションの20%までしか行使できない等、一定期間に行使可能な割合の上限を設けることができます。この制限をベスティングといいます。ベスティングは1年につき20%~25%程度を上限とし、4~5年経過後に100%行使可能とするのが一般的です。特にIPOを目指している非上場企業の場合は、権利行使条件を会社の株式上場とする場合が多いですが、ベスティングを定めてIPO直後のストックオプションの行使に制限をかけることにより、優秀な人材が一度に流出するというリスクを防止することができます。

3.権利喪失事由(消滅事由)

優秀な人材を長期的に確保することを目的としたストックオプションの場合、人材流出を防ぐためにも、退職すると権利行使ができないという条件を付けることが大切です。新株予約権割当契約書にも、権利喪失事由(消滅事由)として、退職によりストックオプションを喪失する旨を明記しておく必要があります。

4.譲渡制限

ストックオプションは新株予約権という性質上、原則として株式と同様に原則として第三者への譲渡が可能です。しかし、税制適格の要件を充たすためには他人への譲渡を禁止する必要があります。税制適格ストックオプションを発行する場合、新株予約権割当契約書にも譲渡制限の規定を設けて、第三者への譲渡を禁止する旨を明記する必要があります。

5.行使要件

前述のように、IPOを目指している非上場企業は、新株予約権割当契約書に行使要件として「上場するまで行使不可」と記載しているケースが多いです。もっとも、IPOではなくM&Aによって自社が大手企業の傘下に入る場合、付与を受けた従業員等がストックオプションを行使できない可能性があるため注意が必要です。IPOによるエグジットを目指すスタートアップ企業やベンチャー企業は多いですが、最近はIPOではなくM&Aによるエグジットを選択する企業も増えています。また、現時点ではIPOを目指していたとしても、将来、M&Aによる事業拡大戦略を実施する可能性もあります。したがって、IPOの場合のみならず、M&Aの際にも従業員が利益を得られるように、柔軟性を持たせたストックオプションの設計にすることが望ましいでしょう。従業員のインセンティブを確保する具体的な方法として、ストックオプションを行使して取得した株式をM&Aの相手方に売却できるとする方法、ストックオプションそれ自体をM&Aの相手方に売却できるとする方法、M&Aの相手方のストックオプションを付与してもらう方法などがあります。

契約者の種類と留意点

資金力に限界があるスタートアップ企業やベンチャー企業では、少数精鋭で事業を軌道に乗せる必要があります。そのため、企業の経営に深く関与する取締役に、優秀な人材を確保するためのストックオプション戦略は非常に重要です。日本のスタートアップ業界の成功事例として注目されているメルカリでは、会社の経営を担う役員に大量のストックオプションを付与していたそうです。
ただし、上場を目指すスタートアップ企業やベンチャー企業の場合、資本政策上、ストックオプションの発行は、上場時の発行済株式数の10%以内を目安にするのが望ましいと言われています。これは、ストックオプションが行使されると原則として新株が発行されることから、他の株主の議決権の希薄化が起こってしまうためです。また、権利行使価格は株価(時価)よりも低く設定されていることがほとんどなので、権利行使されると企業価値や株価に影響がでてしまうことも理由の一つです。
COO(最高執行責任者)、CFO(最高財務責任者)、CTO(最高技術責任者)などの重要なポジションの人材を取締役として迎える際、ストックオプションを要求されるケースも珍しくはありません。これらのポジションの人材を今後採用する予定がある場合は、ストックオプションの比率が高くなりすぎないよう計画的に進めることが大切です。

一般の従業員に対してストックオプションを付与する場合、従業員間で不公平感が生じないよう配慮する必要があります。公平性を保つために付与基準を明確に示すことが望ましいでしょう。
また、従業員が退職後にストックオプションの権利を主張してトラブルになるケースもあります。トラブルを防ぐためには、前述のとおり、新株予約権割当契約書に権利喪失事由(消滅事由)として、退職により新株予約権を喪失する旨を明記し、契約書を締結する際にも説明しておくことが大切です。

3.外部協力者

日本では、2001年の商法改正により、弁護士、税理士、公認会計士、技術者などの社外の専門家にもストックオプションを付与できるようになりました。また、2019年7月16日に施行された「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律」により、社外の専門家も税制適格ストックオプションの適用対象となりました。ただし、社外の専門家が無条件で税制適格の対象となるわけではなく、厳格な要件があります。将来的なトラブルを防ぐためにも、社外の専門家にストックオプションを付与する際は必ず事前に税制適格要件を充たすかを確認し、税理士や弁護士などの専門家に相談することが大切です。

信託型ストックオプションの場合の契約書

また、信託型ストックオプションは、発行時に付与者が決まっていないため、発行時に付与者との間で新株予約権割当契約書を締結する必要はありません。信託型ストックオプションの基本的な流れは以下のとおりとなります。

  1. 委託者(企業側)と受託者(信託銀行等の信託先)との間で信託契約を締結します。
  2. 信託契約に基づき、委託者から受託者に信託財産を移転します。
  3. 信託期間満了時までの間、受託者は信託契約に従って財産を管理します。
    この間、従業員や役員には、実績や貢献度に応じて、将来ストックオプションと交換ができるポイントが付与されます。
  4. 信託期間満了時に所持しているポイントに基づいて従業員や役員にストックオプションが配分されます。

契約書の雛形を利用する際の注意点

ストックオプションを付与する際に必要な契約書の雛形(テンプレート)やサンプルをネット上で探して流用したいという方もいらっしゃるかもしれません。たしかに、「ストックオプション 契約書 雛形」などのキーワードで検索すると、無料で利用できる新株予約権割当契約書の雛形が見つかります。しかし、ネット上で公開されている契約書は税制適格の要件を充たす内容になっているとは限らないため注意が必要です。前述した通り、税制適格の要件を満たすか否かで、税金がかかるタイミングや税率に大きな差が生じるので、無償ストックオプションの場合は必ず税制適格の要件を充たす内容であるか否かを確認しましょう。
また、雛形を流用する際は自社の目的に合わせて必要な条項を加える必要があります。例えば、上場を目指す企業の場合、優秀な人材が上場後に株式を全部売却して退職するというリスクを回避するために前述のベスティングの条項を設けることが大切です。ストックオプションを導入する目的は企業ごとに異なり、留意するべきポイントも当然異なりますので、雛形を流用する際は十分に内容を確認しましょう。

ストックオプションの仕組みやメリットについて教えてください

税制非適格ストックオプション

司法書士K

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税制適格ストックオプション

税制適格ストックオプション

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税制適格ストックオプションの要件

退職した役員・従業員のストックオプションはどうなる?

司法書士K

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ストックオプションを発行するときの注意点

司法書士K

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  • ストックオプションとは、役員や従業員、場合によっては一定の要件を満たす外部協力者に対して、将来、ある一定の条件で、あらかじめ決められた行使価額で取得することができる権利です
  • 現状、ストックオプションを発行する意味のある会社は①上場企業②上場を目指す会社の2つに限られています
  • 役員・従業員に対するストックオプションは通常「税制適格ストックオプション」が発行されることになります
  • 一般的にストックオプションは、上場時点で発行済株式総数の10%以内であることが望ましいとされています
  • ストックオプションの意味とは
  • ストックオプションを付与するときのルールとして、会社で働く人たちにとって公平感・納得感のあるものが必要とされます

当事務所のご案内

  • 相続登記の登録免許税「免税」の適用期間延長と適用対象の拡大【2022年4月1日から】
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この記事を書いた人

司法書士 川井秀一

平成28年司法書士試験合格
平成29年から約3年間、東京都内司法書士法人に勤務
不動産登記や会社・法人登記の分野で幅広く実務経験を積む

SOとは何か?ストックオプションの新制度を解説 | M&A・事業譲渡なら船井総研のM&A専門コンサルティング

SOという言葉の意味をご存知でしょうか?
SOとはストックオプションの略語でして、IPOを目指す会社様が多く検討される制度です。

SOを活用することでIPOを目指す会社様が抱える悩みを解消できる可能性があります。
具体的には、以下のような悩みを解消できる可能性があります。
・事業拡大、商品開発、営業、社内管理等のスペシャリストに関わってほしいが、能力に見合う給与をだすための手元資金が少ない
・優秀な人材の流出を避けたいが、優秀な人ほど給与の高い会社に転職してしまう

これらは、従業員に対するインセンティブ設計の問題としてとらえられます。本稿ではストックオプション(以下、「SO」)について説明致します。 ストックオプションの意味とは

SOとは、新株予約権の一種で自社の株式を原資産とするコール・オプション(将来のある期日までに、その時の市場価格に関係なくあらかじめ決められた特定の価格で買う権利)のうち、特に企業がその従業員及び役員に報酬として付与するものです。
予め決められた価格(権利行使価格)を時価が上回った場合、この権利を与えられた者は利益を受けます。会社の業績の向上は株価に反映されやすいため、会社の業績が上がれば上がるほど権利付与者の利益の向上につながることが考えられます。そのため、非上場会社の場合には、上場そのものに対する意欲を持たせることが可能です。 ストックオプションの意味とは

そして、2019年に「社外高度人材に対するストックオプション税制の適用拡大」に関する内容が経済産業省HPより発表されました。今回の制度改正は、税制上の優遇措置が得られる税制適格ストックオプションの対象に社外の人材が加えられた点が特徴です。

2 税制適格ストックオプションとは

税制適格ストックオプション(以下、税制適格SO)とは、適格要件を満たす場合、課税のタイミングを株式売却時のみにできるSOのことを言います。税制優遇措置を受けるには、付与対象者要件や権利行使期間要件などの要件を満たさなければなりません。税制適格SOに該当すると、SOの権利行使をした時点では課税されず、株式譲渡における売却価格と権利行使価格との差額が譲渡所得となり、そこに所得税が課税されることになります。そのため、税制適格SOは権利付与者にとって大きなインセンティブとなります。


2.1 ■制度趣旨

従来の税制適格SOでは、対象者が社内の取締役及び従業員等に限られていましたが、新制度では高度な知識や技能を有する社外の人材にまで拡大されます。
これにより、スタートアップ企業をはじめとした設立10年以内の中小企業の成長支援に対して、優秀な人材が関わりやすくなります。
では、高度な知識や技能を有する社外の人材とはどのような人材でしょう。

2.2 ■高度な知識や技能を有する人材とは

高度な知識や技能を有する社外の人材とは、以下に該当します。
①国家資格を有し、当該資格に関する3年以上の実務経験がある者 ストックオプションの意味とは
②博士の学位を有し、研究、研究の指導、教育に関する3年以上の実務経験がある者
③高度専門職の在留資格をもって在留し、当該専門性に関する3年以上の実務経験がある者
④上場会社の役員(取締役、会計参与、監査役、執行役)として3年以上の実務経験がある者
⑤将来において成長発展が期待される分野の、先端的な人材育成事業に選定され、従事していた者
⑥社外高度人材活用新事業分野開拓計画*を開始する日から遡った10年間に、日本の公私の期間で製品または役務の開発に2年以上従事した者

(出典:中小企業庁『-中小企業等経営強化法-社外高度人材活用新事業分野開拓計画策定の手引き』)

ただし、上記付与対象者のうち以下に該当する場合は例外にあたります
・大口株主及び大口株主の利害関係者* ストックオプションの意味とは
・未上場会社の場合、発行済み株式のうち3分の1以上を保有する者
※大口株主の利害関係者とは以下を指します。
・大口株主の親族(配偶者,6親等内の血族及び3親等内親族)
・大口株主と事実上婚姻関係と同様の事情にある者及びその者の直系血族
・大口株主の直系血族と事実上婚姻関係と同様の事情にある者
・大口株主から受ける金銭その他の財産によって生計を維持している者及びその者の直系血族
・大口株主の直系血族から受ける金銭その他の財産によって生計を維持している者

ご覧のように、弁護士や公認会計士など国家資格を有する人材のほかにも、研究者や上場企業の役員経験者が加えられています。経産省によれば、これらの人材は以下の内容に貢献することが求められています。

・製品・サービスの開発に貢献すること
・事業拡大や販路拡大に貢献すること
・会社成長期の組織拡大に伴うガバナンス体制構築等に貢献すること

製品開発において専門技術が必要であり、そのために技術者の知識や経験、能力を活用したい企業側のニーズは想像に難くないですが、会社の内部統制に貢献する人材も対象になっている点は、近年のコーポレートガバナンス強化の必要性やIPO人材への注目が高まっている世相を反映したものともいえます。

※中小企業等経営強化法では、国により認定を受けた事業者が税制や金融の支援を受けられる制度を定められています。
※今回の税制適格SOをめぐる制度変更は、社外高度人材活用新事業分野開拓計画を提出し、認定を受けた企業が対象になります。

2.3 ■制度導入の背景

今回の制度改正に先立って行われた政府の調査では、スタートアップ企業を含む中小企業において、資金調達と並んで質の高い人材確保が課題として認知されています。

『ベンチャー企業を含む中小企業の経営上の課題』(調査対象企業数2636社)
資金調達・・・・・・・・・・・・・・・・・47.6%
質の高い人材・・・・・・・・・・・・・・・47.1%
労的な労働力の確保・・・・・・・・・・・・34.4%
販路開拓・マーケティング・・・・・・・・・31.4%
自社の宣伝・PR ・・・・・・・・・・・・・27.8%
事業や経営に必要な知識・ノウハウの取得・・24.9%
製品・商品・サービスの競争力強化・・・・・23.6%

(出典:経済産業省『平成31年(2019年度)税制改正について』)

制度改正の背景には、中小企業において、会社経営における、事業面・管理面に対して貢献できる人材が必要とされているという認識があります。

従来こうした人材の知識や経験、能力を活用する方法の一つとしては、取締役など役員として登用するか従業員として採用した上でインセンティブとして税制適格SOの権利を付与するといった方法がとられていました。

本制度により取締役など役員としての登用や従業員として採用をしなくても税制適格SOの権利付与が可能な点は、企業が経営課題を解決するために「質の高い人材」を探すにあたって選択肢が広がるため、企業側にとってみれば、様々な立場、組織の人物から関与を受けやすくなります。
他方で人材の側からすると、社員や役員にならなくても、インセンティブとして「税制適格SO」を付与されることで、スタートアップはじめ中小企業の経営に関与しやすくなります。

3 自社に税制適格ストックオプションを導入するには

ストックオプションの導入にあたっては、株主構成を鑑みながら、どのような条件で、誰にどの程度付与するのかを資本政策として検討する必要があります。特に税制適格SOについては該当するための要件が定められているため、税理士等の専門家に相談しながら設計することがおすすめです。

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